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セクハラヤジ問題を淡々と考える

都議会でみんなの党の塩村あやか議員が子育て関連の質問にたった時に「そんなこと言う前に、お前が早く結婚しないのか!」「子供生めないのか!」といった野次を飛ばしたことが問題になっています。署名集めサイトのchange.orgでは史上最速の署名が集まっているようで、抗議署名も三万人をこえたようです。

http://mainichi.jp/select/news/20140620k0000e040286000c.html

ただ個人的にはこの問題の本質というものを掴み損ねてまして、「品位が無い」「セクハラだ」というような批判はもっともであるものの、昔から議員なるものが品位のある人間で満たされたことは一度も無いわけです。国会議員など魑魅魍魎の世界です。

問題の建て方として「議会は品位を保つべく自浄作用を果たすべきだ」ということが考えられるわけですが、ではヤジに対して規制を入れて問題が解決するかというとまたそれは別問題な気がします。議会というのは本質的には冷静な話し合いをするとこでは決してなく、与野党の条件闘争の場でありまして、その勢いをつけるための答弁者・質問者に対する非公式発言(=ヤジ)というのは規制しても規制できるものではないでしょう。というか現時点においてもヤジは一応禁じられていることになっています。

東京都都議会 会議規則第43条

発言は、すべて議長の許可を得た後、登壇してしなければならない。但し、議長の許可を得たときは、議席で発言することができる。

2 議長は、議席で発言する議員を登壇させることができる。

塩村議員はこのヤジに対して都議会に「議員を特定して処分すべき」として処分請求したわけですが、そもそもが非公式発言なので議会側に当然受理されず、みんなの党に突き返されたようです。

おときた議員などがこれを批判していますが、仮にここで慣例を破ってヤジに対する処分請求を認めるとなると、連日各政党間で処分請求が飛び交う収拾がつかない事態になり円滑な審議が阻害されるのは目に見えますし、そもそも議事録にも載らず無かったことにされる非公式発言を処分の対象に含むような地方自治法の法解釈は無茶があります。都議会としては、自体に浮かれず粛々とルールに則って事態を処理したまでのことで、このことを持って批難される所以は無いでしょう。

http://www.ytv.co.jp/press/society/TI20143950.html

塩村さんもおときた君もそれを分かった上でやっていることは想像に難くないので(むしろ分かっていなければ議員としての資質に問題がある)、政局を作り出そうとしているようにしか見えないわけで、外野としては興ざめしてしまうところがあります。より正確には、政局を作り出すことが必要なこともあるのでそれ自体は問題とは言えませんが、問題は騒ぎ立てた後の納めどころは何なのか、という先行きが見えないことです。このままでは結局議員一人吊るし上げて終わりなんでしょう。

なんか救われないですね。ところで関係ないですが書いているうちに丸川珠代議員の伝説の「ルーピー」ヤジを思い出しました。これは良いヤジなのでしょうか?、それとも悪いヤジなのでしょうか?それともどちらでもないのでしょうか?

ではでは今回はこの辺で。



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