クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナはともに、旧ユーゴスラビアの分裂によって生まれた国だ。1990年代を通して行われた血なまぐさい内戦を経て、すべてが終わる頃には、貧困と破壊に加えて100万人もの犠牲者(その多くが一般市民)を生む結果となった。
両国の不運は今回のワールドカップ(W杯)にまで引きずられているようで、どちらもここまで審判のミスの被害者となってしまっている。開幕戦ではフレッジが日本の西村主審をあざむく形で、クロアチアは非常に厳しいPKを取られてしまった。今日の試合では副審の判断ミスにより、ボスニアFWゼコがナイジェリア戦でのゴールを認められなかった。
クロアチアは第2戦で錯乱状態に陥ったカメルーンに4-0の勝利を収め、グループステージ突破の可能性をまだ残しているが、ボスニア・ヘルツェゴビナが今日の試合で被った誤審はスシッチ監督のチームが決勝トーナメント進出を逃す一因となってしまった。
いずれにしても、旧ユーゴスラビア諸国が最終的な優勝候補ではなかったということにはほぼ誰もが同意することだろう。
その一方で、両国が何人かの飛び抜けた選手を擁していることにもほぼ異論はないはずだ。