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ライアン・マッギンレーより、若き写真家たちへ贈る言葉。


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All photos examples of Ryan McGinley’s early work, courtesy of the artist and Team Gallery


アメリカを代表する写真家・ライアン・マッギンレーがパーソンズ美術大学(※1)の卒業式にて行ったスピーチが素晴らしいと話題になっている。彼を知らない人のために、まずは経歴から紹介しよう。同大学でグラフィック・デザインを学んでいる時から写真撮影に魅了されたライアンは、2003年、若干25歳にして初の個展をホイットニー美術館(※2)にて開催。 2007年には国際写真センター(※3)が「今年最も活躍した若手写真家」としてライアンの名をあげた。以来、彼は「アメリカで最も重要な写真家」や、「ダウンタウンのアートにおける”ハーメルンの笛吹き”」とも呼ばれている。

以下はライアンのスピーチより抜粋した珠玉の言葉集だ。若くして上記のような輝かしい経歴を持つライアンからの、 貴重なエール。これからを担う若き写真家の君たちには、有用なキャリアアドバイスになることだろう。是非熟読して欲しいと思う。


何か没頭できるものを見つけよう

「4年生のとき、僕は一日中ずっと写真を撮り続けていました。朝昼晩の食事や、グラフィティで埋め尽くされた戸口や、友だちやルームメイトなど、どんな些細なものでも撮っていたんです。僕の初めてのボーイフレンドだったマークを苦しめてしまったこともありました。というのも、僕は自分たちの関係が生み出す一瞬一瞬を捉えるべく、常にカメラを撮り続けていたんです。あの頃の僕は、自分の人生を記録することで頭がいっぱいでした。

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そんな経験を持つ僕からのアドバイスはこうです。何か没頭できるものを見つけて、それにこだわること。誰かと張り合ったりせず、自分らしさを見つけること。自分の人生で経験したことを撮って、写真史の知識と結びつけること。そしてそれら全てを混ぜ合わせて、あなた以外の人も入れるような、芸術的な世界をつくり出すことです」

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「携帯で写真を撮るのが好きなら、撮ればいい。父親が工事現場で働く姿がカッコいいと思うなら、それを対象として使ってもいいでしょう。母親がプードルを飼っているなら、その光景を写真に収めてもいいのです。自分だけが知っていること、自分だけが立ち入れること、自分が繋がっている人やモノを撮るのです。そうすることで、自分だけの世界をつくりだして下さい」

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「常に忙しくあること。自分がやりたいことを実行するための方法を探し、見つけること。自分がやりたいことを突き止めて、それを実行すること。自分がやりたいことについて、長い時間をかけてダラダラ話すことは厳禁です。それよりもまず、やること。磨きをかけ、出来るだけたくさん取り組むこと。時には違った方法でも試すこと。次のレベルに到達するまで諦めずに続けること。間違っても、途中で止めようと考えないこと。歩みを止めずに進み続けること。そしてこれらを、自然に出来るようになって下さい」

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チャンスを逃さぬよう、常に準備しよう

「ある時、自分が全く知らない人の自然な表情を撮ることに長けているのだと気づきました。この気づきは、私にとってひとつの突破口となりました。多くの人は撮られることが好きなのです。人から気にかけてもらえたり、普段やらないことをやってほしいと頼まれることが好きなのです。”尋ねること”、これこそが私がやるべきことだったのだと学びました」

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「誘われたらとにかく”イエス”と答えて、新しいことにチャレンジしましょう。失敗や、一生懸命働くことを恐れないで下さい。あなたらしい写真を撮って下さい。他の誰かの写真を真似したり、真似しようとしてはダメです。迷うのはもう止めて下さい。使っているカメラが何かなど、気にしてはいけません」

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「伝説的なインディーズのディレクター、デレック・ジャーマン(※4)から、アート・フィルムをつくる上での3つのルールを聞いたことがあります。『1、なるべく早く取り組むこと 2、あなただけの視点を持ち続けること 3、お金が稼げると期待しないこと』 この3つは、今も私の頭から離れません。アートに取り組むことが、あなたの仕事のようなものなのです。一日に8時間は写真に向き合って下さい」

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「覚えておいて下さい。私達の仕事は、死ぬほど苦しいものです。しかし、だからこそとてつもなくロマンティックなのです」

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「身の回りの全てを写真に収めて下さい。本当に一生懸命頑張っていれば、チャンスはやってきます。そしてその瞬間を逃さないよう、常に準備しておくことです」



Translated & Edited by Kentaro Okumura