ビール:「3回注ぎ」おすすめ キリン分析

毎日新聞 2014年05月29日 19時59分(最終更新 05月29日 20時16分)

3回に分けて注いだビール(左)と1回注ぎのビール=キリンシティ提供
3回に分けて注いだビール(左)と1回注ぎのビール=キリンシティ提供

 ビールは3回に分け、ゆっくり注ぐとおいしくなるという分析を、キリンが29日発表した。気温が上がると、早く飲むため一気に注ぎたくなるが、慌てないことが楽しむカギといえそうだ。

 「3回注ぎ」は、世界屈指のビール大国ドイツなどで伝統的に実施されているが、注ぐ回数と成分の関係は未解明だった。同社は、注ぐ回数を泡がほとんど立たない1回と、泡が容器の3〜4割を占める3回の場合について、香り成分の「リナロール」や苦み成分の「イソアルファ酸」の濃度を分析した。

 その結果、3回注ぎの場合、香り成分は、注いでから15分後も入れた直後の約7割が残っていたのに対し、1回注ぎは4割近くに減っていた。苦み成分は、3回注ぎでは注いだ直後に比べて15分後は2割増え、1回注ぎはほとんど変わらなかった。苦み成分は泡に多く含まれ、泡が消えにくい3回注ぎでは、泡から液体に苦み成分が移ったとみられる。

 同社の村上敦司・酒類技術研究所主任研究員は「3回注ぎは、香りを維持するだけでなく、時間とともに味が変化して飲み飽きない要因になっているようだ」と話す。【田中泰義】

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