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対韓関係打開見えず 河野談話検証 近く局長級協議で説明

産経新聞 6月21日(土)7時55分配信

 日本政府は、近く開かれる見通しの日韓外務省局長級協議で、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話の検証結果について詳細に説明し、河野談話自体の見直しは行わない点を強調して韓国に理解を求める構えだ。日韓は来年、国交正常化50周年を迎える。しかし、慰安婦問題のほかにも元徴用工をめぐる訴訟など歴史問題での日韓の溝は深く、関係打開は見通せない。

 岸田文雄外相は20日夕、産経新聞の取材に対し「河野談話を見直すことはない。韓国は大切な隣国であり対話を積み重ねながら、2国間関係を進めていきたい」と改めて強調した。

 韓国にとって河野談話は戦時中の日本の加害責任を認めさせた貴重な「成果物」であり、談話の作成過程で韓国側の関与が明らかになった今回の検証結果を認めないとみられる。

 安倍晋三首相はこれまで「対話のドアは常にオープン」として朴槿恵(パク・クネ)大統領との首脳会談を呼びかけているが、朴氏は首相の歴史認識への批判を繰り返し、会談を拒否し続けている。

 ただ、今年4月から月1回のペースで東京とソウルで交互に局長級協議を開催している。政府は、8月上旬にミャンマーで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で、岸田氏と尹炳世(ユン・ビョンセ)外相との会談を模索、政治レベルの接触回数を増やし、11月に中国・北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で日韓首脳会談を実現するシナリオを描いている。

 しかし、朴政権は旅客船セウォル号の沈没事故をきっかけに政権基盤が弱体化しており「朴政権は外交どころではない」(日韓外交筋)とされる。夏は韓国で「反日機運」が盛り上がる時期でもあり、日韓の緊張は再び高まりそうだ。(山本雄史)

最終更新:6月21日(土)20時17分

産経新聞

 

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