世界の中の日本

STAP細胞で大儲けした人間を許してはいけない米国ではとっくに導入している「先端研究にまつわる詐欺」を取り締まる法律制定を

2014.06.23(月)  伊東 乾

STAP偽装細胞問題を対理研提案書に添って丁寧に考えているこの連載、韓国で発生した「クローンES細胞詐欺」に焦点を当てた次回稿を準備していたのですが、『新潮45』誌に注目すべき報道が出、予定を変更して、虚偽学術情報発信によるインサイダー取引の問題を検討したいと思います。

 正直申して随分早く出てきたな、というのが感想で、6月半ば過ぎの段階でここまで話が進むとは思っていませんでした。

 逆に6月にあると思われた懲戒など理研の処分は、様々な思惑で即解決とはならなさそうな雲行き。今月この問題は動くと思っていましたが、推移をよく観察する必要があると思います。

「STAP論文捏造事件」

 新潮45誌に発表された「『STAP論文捏造事件』その金脈と人脈」(小畑峰太郎+新潮45取材班)(7月号p.18-)は、思い切った内容に踏み込んだ力の入った記事で、久方ぶりに「社会の木鐸」という言葉を思い出しました。

 記事の詳しい内容は新潮45誌に譲るとして、ここでの大きなポイントを挙げてみましょう。

1 エコノミスト誌 5月20日号に既報の『「STAP銘柄」にインサイダー疑惑』
の内容が確認され

2 上記事でSTAP発表とともに株価が急騰した「セルシード」社の沿革などが記され

3 セルシード社の社外取締役である岡野光夫・前東京女子医大副学長、その部下で、小保方晴子氏の指導教官、STAP論文の共著者でもある大和雅之・東京女子医科大学教授らのインサイダー取引の疑いが、USB証券からのセルシード社への融資経緯など説明ののち

4 米国ではとっくに時代遅れになりつつある「特許」「科学研究」「インサイダー」三位一体の経済犯罪が、法規制の進んでいない日本に持ち込まれ、あざとく利ざやが抜かれた可能性

 を淡々と説明しています。お茶の間でゴシップとしてSTAP騒動を楽しもう、という以上の真剣な興味をお持ちのかたには、ぜひこの記事の一読をお勧めしたいと思います。

 ここ数日、インターネット上で「この期に及んで明らか…
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