最近、ISISやボコ・ハラムが頻繁にニュースで見るので簡単にですが大きなテロ組織を資金力でまとめてみました。
7 Boko Haram ボコ・ハラム
正式名称「宣教及びジハードを手にしたスンニ派イスラム教徒としてふさわしき者たち」
地域
主にナイジェリアで活動ですが、アフリカ全土に拡大していこうとしています。
目的
西洋教育の破壊を主軸にし、西洋文明、現代科学、特にダーウィン主義への攻撃。
活動
5月5日にナイジェリア北東部で200名以上の女子生徒を誘拐して世界中から非難を浴びたグループです。
犯行声明でボコ・ハラムは少女たちを「奴隷」として拘束し「花嫁として売り飛ばす」と宣言しました。
今だ国際社会は誘拐された少女たちを救い出すことは出来ていません。
それら以外にも頻繁に学校・集落・キリスト教施設など襲撃して略奪や誘拐を繰り返し、その度に数十人から数百人を殺害しています。
資金
「ナイジェリアのタリバーン」とも呼ばれ、タリバーンからの資金援助があるのではと考えられている。
メインは誘拐身代金、略奪など。
ここ数年の資金の流れははっきりしませんが、2006年から2011年の間で70億円以上集めたと言われています。
6 Lashkar-e-Tayyiba ラシュカレトイバ
正式名称「敬虔な者の軍隊」
地域
主にインド・パキスタンの係争地域であるカシミール地方の分離独立を掲げ南アジア地域。
目的
南アジア全域を支配するべくイスラム帝国建設に邁進しており、かつてイスラム教徒のものであったのに、キリスト教の十字軍によって奪われたヨーロッパを、イスラムの手に奪い返す使命と、ユダヤ教徒とキリスト教徒に対するジハードは、すべてのイスラム教徒に与えられた義務であるとしている。
活動
主にインド国内でのテロ活動。
資金 年間100億円以上
主に支援者や賛同者からの寄付。
5 Al-Qaeda アルカーイダ
アラビア語で「大本」、「基地」を意味する。
目的
イスラム主義を標榜するスンナ派ムスリムを主体とした国際的なネットワーク、思想、運動。
活動
創始者はウサーマ・ビン=ラーディン
・自爆テロを使う
・世界貿易センタービル爆破事件
・アメリカ同時多発テロを実行したと言われる
・世界中の米国関連施設へのテロ活動
・世界中で西洋文明に対してのテロ活動
※アルカーイダの実態についてははっきりしないことが多く、現在ではアルカーイダが一つのまとまった組織として存在しているかどうかは議論が分かれている。
資金 年間100億円以上
主に一般市民からの寄付。
また賛同するイスラム原理主義ブルジョア層からの高額の寄付もあるだろうと考えられている。
4 Taliban タリバーン
アラビア語で「学生」を意味する。
地域
主にパキスタンとアフガニスタン。
目的
ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻後の長年の内戦の中から生まれた武装勢力。
イスラム原理主義に基づく思想・反政府集団。
行動
アフガニスタンにおけるタリバーンは暴力での支配や、自爆テロ、そして特に大きな問題になっているのが女性に対する扱いです。女性はモノとして扱われ、望まれない幼児婚が横行、虐待、拷問、そして学校に通おうとした女の子の鼻を削いだり、銃殺する。
タリバーンは敵対者や裏切り者を虐殺し、斬首して見せしめにするという行為などを日常的にしていると指摘されています。
またそこに少年兵を洗脳し、残虐行為や自爆テロさせ悪化させている。
2008年にはアフガニスタンでNGOボランティアの日本人が拉致殺害される事件も起こしています。
資金 年間400億円以上
主に麻薬ビジネス(アヘン)、寄付。
3 IRA アイルランド共和軍
目的
アイルランド自由国成立後は、北部6州と南部26州(共和国)とを統一すること、つまり北アイルランドを連合王国から分離させて全アイルランドを統一。
活動
数十年前まで小規模なテロ活動をしていたが、ここ十年ほどは表立った活動はしていない。
その分地下に潜り巨額の資金を集め、イタリアの有名マフィア組織と繋がりマネーロンダリングしていると考えられている。
資金 450億円以上
昔はアメリカに住むアイルランド系アメリカ人たちからの寄付などでしたが、ここ十年は地下に潜り資金の動きが見えなくなっています。
マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで
2 FARC コロンビア革命軍
地域
元はコロンビアだが、現在では中南米最大の反政府武装組織であり、活動地域はコロンビア国内のみならず、ベネズエラ、パナマ、ペルー、ブラジル、エクアドルなどの周辺国へも広がっている。
目的
初期の目的はコロンビアの寡頭制の打倒、農地改革、富の再分配を掲げ、マルクス・レーニン主義の社会主義革命政権樹立。
活動
農民主体のゲリラであるにもかかわらず、幹部にはインテリも含まれる。
誘拐、要人暗殺など。
資金 年間500億円以上
支配地域でのコカ栽培への課税、住民からの徴税、要人誘拐による身代金やコカイン取引など。
1 ISIS or ISIL Islamic State of Iraq and Syria
正式名称 「イラクとシャームのイスラーム国」,「イラク・シリア・イスラム国」
スンニ派武装過激派組織
地域
イラクとシリアを中心に活動。
現在イラクで各地を陥落させながら首都バクダットを目指し進行中。
目的
正式名称の通り、目的はイラクおよびシリアを中心とする地域で大イスラム国家の樹立。
活動
元々はアルカイーダの組織のひとつ(2004年にイラク旅行中の香田証生さんを拉致殺害した「イラクの聖戦アルカイダ組織」出身者ら)だったが、ISISが民間人虐殺やシリア内戦での残虐非道さであのアルカイーダから「私たちの組織とISISは関係性はない」と声明を出された。今やISISは徹底的な略奪でアルカイーダを遥かに超える圧倒的な資金力と豊富な武器でイラク各地を陥落させていっています。
・ISISのメンバーは数千人
・欧米のパスポートを持つ人間も多数ISISに加わっている。
結果、すでにヨーロッパでもテロ(ISISに関係していたフランス人がベルギーの首都ブリュッセルでユダヤ博物館で無差別銃撃)
・イラクやシリアで市民や政府職員数千人以上を殺害
・シーア派1700人を処刑
・毎日のように数十人から数百人の軍人、一般市民関係なく虐殺や処刑
資金 2000億円以上
略奪(すでにいくつもの銀行などを手に入れ現金数百億円を手に入れている)、反政府組織や利害の一致する部族などからの資金援助。
大きなテロ組織というのは巨額な資金があって行動出来るんですね。
これだけのお金を生み出すブラックマーケットの規模の大きさに唖然とします。
紹介した全ての組織が恐ろしいですが、特にボコ・ハラムとISISの勢いが怖い。
ボコ・ハラムはアフリカに、ISISは中東に更なる混沌を作り出そうとしています。
他宗教の人間は無条件に殺されたり、女性はモノとして扱われる。
ISISは圧倒的な資金力と火力でもう少しでバクダットを陥落するところまできています。
もしバグバットが陥落したら、もうイラクはISISの支配下になるのでしょうか?
多数派のシーア派との全面戦争に突入するかもしれません。
その後は大イスラム国の樹立?
責任のあるアメリカが口だけの非難決議などではなく、強い行動に移さないと手遅れになってしまいます。
テロ組織が恐れるのは国際社会でも国連でもなくアメリカなんですから。
日本にいると中東やアフリカのニュースはあまり伝えられませんが、日本人にとってもこれらの行末は非常に重要です。
石油価格が上がる〜などど呑気に言ってられる場合で終わらないかもしれません。
参考 Wikipedia http://www.therichest.com/rich-list