−−あの“お騒がせ女”は今ー−−
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篠原ともえ(22)−消えた“不思議系少女”

篠原ともえ  昨年3月、台湾で起きた“事件”をきっかけに、あのハスキーがかった、やかましい声をお茶の間で聞く機会がすっかり減ってしまった。賑やかな格好とキャラがウリだった“不思議系少女”の篠原ともえ(22)は、2002年が大きな正念場となりそうだ。

 「3月に『LOVE LOVEあいしてる』が終了し、それまで走り続けたので、ゆっくりさせたかった。今年は転換期だった」

 所属事務所は1年をこう振り返る。

 テレビレギュラー2本のうち1本は01年10月に終了、もう1本も昨年中に終わった。すっかり露出が少なくなったが、「今は曲作りに専念中で、まだ形にはなってないが2002年にはリリースしたい」といい、今年3月には舞台、4月からはテレビ出演も決まっている。

 平成7年、高2でデビュー。以来、カラフルな装飾品やへんちくりんな髪型などが、女子高生の間でコスプレ的人気を集め、安室奈美恵のアムラーに対抗し、篠原ファッションが「シノラー」と呼ばれるなど大ブレークした。

 だが、大きな転機が…。

 台湾でも日本の番組が放送され、「へんてこりん女教祖」の異名で人気となり、昨年3月、台湾でCDを発売し、そのPRで初訪台。熱烈歓迎されたが、事件はその時に起きてしまった。

 台湾の夕刊各紙やテレビが、宿泊先「晶華大酒店」10階の部屋の前で、篠原が酒に酔ったような状態となり、「バカヤロー」などと大声で叫び、他の宿泊客からの苦情で最後は警察官までかけつける騒ぎとなった…と報じたのが発端。この一件は日台で大きく報じられ、大騒動に発展した。(関連記事:裸で大暴れ?シノラー台湾過激報道の中身

 緊急帰国後の釈明会見で、篠原は、「酔っ払ってなんかいませ〜ん。みんなウソですぅ〜」「廊下で“早く日本に帰りた〜い”と何度もいっただけ」と釈明。過密日程でストレスがたまり、病院で「急性ストレス反応」と診断され、入院したなどと、“泥酔騒動”を完全否定した。(関連記事:シノラー釈明会見、騒動の真相は?

 ただ、会見でのマスク姿は、「これまでのシノラーにはない異様さだ」との声が上がった。

 その後は、弱り目にたたり目で、7月にイベントを体調不良で辞退したほか、出演番組は減少。公開中の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(東宝系)に出演しているが、テレビ、CM、雑誌など引っ張りだこだった昨年までとは明らかに違う。

 芸能ジャーナリストの井上公造氏は、人気急落の契機となった騒動の背景を、「感受性の強い子で、時としてそれがマイナスに作用する。ハイテンションというキャラクターを演じ、精神的な疲れもあったのだろう」と分析。

 その上で、今後について、「あのキャラクターは若いからできたもの。今は年齢を重ね、このままでいいのかという複雑な心境ではないか。この2001年は彼女にとってタレントとしての岐路だった。それを乗り越えなければならないのに、乗り越えられずにいた。芸能界でどこにポジションを置くかなど、2002年は勝負の年になる」と話している。

(清野邦彦)


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