岡山大学は6月18日、昆虫「オオツノコクヌストモドキ」のメスが戦いに強い大きな大顎を持つオスよりも、脚を使ってメスの体をたたく求愛技術が高いオスを好むことを明らかにしたと発表した。
同成果は、同大大学院環境生命科学研究科進化生態学分野の岡田賢祐 助教、筑波大学生命環境科学系共存生物学研究室の香月雅子 博士(日本学術振興会特別研究員)、英国エクセター大学生態学・保全学センターのデビッド・ホスケン教授らによるもの。詳細は5月7日付で英国王立協会紀要「Proceedings of the Royal Society B」電子版に掲載された。
従来、生物のメスは強いオスを好むことが繁殖行動の定説として知られている。これは、オスが強いほど、外敵から身を守ってくれる確率が高くなることや、強いオスほど、良い餌場や縄張りを持てるといった直接的な利益のほか、遺伝的により強く、繁殖に有利な子孫を残す可能性を高めることが高まるといった遺伝的な利益などが背景にあると考えられてきた。
今回、研究グループは1000体を越すオオツノコクヌストモドキを対象に遺伝解析を行ったところ、メスは強いオスを配偶相手にしても、直接的利益を得ることはないことを確認。また、強いオスの息子は繁殖に有利だが、娘は繁殖には、大顎の大きさに関係する遺伝子が産卵数の減少にも関与していること(対立関係)も知られており、結果としてメスは間接的利益を得ることができないことも判明した。
そうした一方、求愛上手なオスを配偶者として選んだ場合、遺伝的に繁殖に有利な求愛上手な息子を産むことができるようになるため、間接的利益を得ることが可能となるほか、求愛上手なオスとメスの間には対立関係もないことを確認したとのことで、これらの結果、メスは強いオスではなく、求愛上手なオスを配偶者として選ぶ可能性が示されたとしている。
なお、研究グループでは、今回の発見により有性生殖を行う生物の繁殖様式に関する概念を考え直す必要性が示されたとするほか、生物の繁殖に関する新たな理論を提示するものであり、人間を含めた生物全体の進化の理解につながることが期待されるとしている。
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