個別に川柳の三要素を見てきましたが、これは、伝習的川柳(とくに古川柳)の特性を、うがち・おかし
み・軽みとしたもので、「うがちの句」や「軽みの句」が単独に存在すると考えるのは少し間違っていま
す。
ものの見方としてのうがち、躰としての軽み、結果として引出されるおかしみは、三つにして一つのもの
であり、良質の古川柳を支える条件となっています。
川柳入門書の中には、川柳の文芸上の規範として記していますが、これは間違った捉え方です。
三要素の原形は、阪井久良伎により明治三六年の「川柳梗概」により提唱され、翌年の『川柳久良岐
点』によって明確にされました。
この三要素を作句の指針にしている説明も見受けられるが、これらは、あくまでも作品の結果であり
、目的ではありません。この三つは図1のような平面における集合の要素でなく、うがちをベースに軽み
という技術が加わり、おかしみを生むという図2のような立体構造をとっています。この概念の誤解は、三
要素を語るときの大きな問題です。
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