1次リーグC組で1敗1分けとなっている日本は、試合終盤に得点を狙って浮き球のパスを敵陣ゴール前に放り込む作戦「パワープレー」を繰り返している。その戦い方について日本サッカー協会の原博実専務理事兼技術委員長が20日、「違う策を徹底してやるべきだ」とザッケローニ監督の采配に疑問を呈した。

 原専務理事によると、選手の間にも戸惑いが広がっているという。豊田(鳥栖)ら長身で空中戦が持ち味のFWをメンバーに入れておくべきだったのでは、と報道陣に問われると、「今はここにいるメンバーで戦うしかない」と答えるにとどめた。そして「DFの吉田を前線に上げるなら練習しておくべきだが、このチームには合ってない」と作戦自体を否定した。

 吉田本人は、「監督は空中戦をしないとは言っていない。上がれと言われれば上がる。僕はヘディングが得意」とザッケローニ監督の策を擁護していた。遠藤はギリシャ戦の後、パワープレーをするなら練習しておくべきだと話した。「練習は1回もやってない。パワープレーをやらずに90分間を終わらせるのが理想だが、次の試合も同じ状況になればやる可能性もある。そのための準備はしっかりとしなくちゃいけない」

 注目度の高いW杯だけに世論からの批判もある。長友はザッケローニ監督の采配への不信感を「それはない」と否定した。(忠鉢信一)