グーグルが導入した量子コンピュータとは何か
分野を限定すれば、高性能であることは確か
もっとも、グーグルはD-Wave Systemsのコンピュータを導入するのに際し、この分野で著名な大学教授に依頼して、性能評価テストを実施している。そのテストでは、「最適化問題」と呼ばれる特殊な分野に限って、D-Wave Systemsの"量子コンピュータ"は従来型コンピュータの3600倍もの処理速度を達成したという。
ただし、テストを実施した教授自身は「このテストは必ずしも、(D-Wave Systems製のコンピュータが)量子コンピューティングであると証明するものではない。私が知りたかったのは、あくまで、このコンピュータがどれくらいの性能を有しているかだ」と語っている。
一般人にしてみれば、「従来の3600倍ものスピードを実現したなら、それは量子コンピュータじゃないの?」という気にもなる。ところがD-Wave Systemsに批判的な一部の専門家は、「ある種の温度現象(恐らく超伝導のことを指している)を利用すれば、コンピュータの高速化は可能であり、D-Wave Systemsのやり方は、むしろそちらではないか」と見ている。
やはり量子コンピュータか否かについては、まだ確定できないようだ。現時点で確かなのは、グーグルが何らかの高性能コンピュータを導入し、それを使って同社のAI開発を加速しようとしていることだけだ。
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