“敵”は出勤時間…平日朝の試合　丸ビルＰＶにサラリーマン集結

丸ビルでギリシャ戦のパブリックビューイングを窓越しに観戦する出勤前の会社員ら Photo By 共同

　サッカー日本代表がＷ杯フランス大会（９８年）に出場して以来、通勤・通学時間と試合が初めて重なった２０日のギリシャ戦。オフィス街の東京・丸の内の丸ビルで行われたパブリックビューイング（ＰＶ）には、出勤前のサラリーマンが集結した。また都内各所では、サラリーマンが携帯電話のワンセグで試合経過を確認して歩く姿が見られた。

　オフィス街のど真ん中、ＪＲ東京駅前にある丸ビル１階のＰＶ会場には約２００人、隣接するカフェには約２８０人の計４８０人が集結。ワイシャツの上に代表ユニホームを着たサラリーマンも多く見られた。ビルの外では出勤の足を止め、ガラス越しに戦況を見つめる人や、歩道でワンセグを食い入るように見つめる人の姿など、思い思いの観戦スタイル。

　ここでの“敵”はギリシャ、ではなく出勤時間だった。前半だけを観戦した５０代の男性会社員は「時間切れです。後半戦はトイレの中でワンセグを見ながらチェックします」と名残惜しそう。

　引き分けのまま試合が終了すると、会場全体が「あぁ〜」とため息に包まれたが、余韻を惜しむ間もなく急ぎ足で職場へ。自宅のある横浜市から始発で駆け付けた里村和美さん（３２）は「普段より２時間早く起きたので、応援で疲れがピーク。仕事中に寝てしまいそう」と苦笑い。日本戦以外もテレビ観戦しており、連日寝不足気味という中村俊介さん（２４）は「惜しいところが何度もあったが、決定力不足。次戦は家で観戦してから出勤するかも」と話し、足早に出口に向かった。 【試合結果】