水野敬也『夢をかなえるゾウ』読んだ

お前らの大好きな大嫌いな自己啓発本やで!俺自身はどっちかと嫌いだった自己啓発本やで!まともなレビュー書く気全く無いです!

夢をかなえるゾウ 文庫版

夢をかなえるゾウ 文庫版

今日やな、二郎に肩透かし食らってとぼとぼと、しかし食わずに済んだ安心感を心のどこかに浮かばせて歩いとったらやな、古本屋さんを見つけました。古本屋さんは店先に本棚を何列か並べて、そこにはおっちゃんとおっちゃんとそれからまたもやおっちゃんが本を物色しておりました。おお、何か楽しそうやんけと思った僕はおっちゃんたちに加わり本を物色し始めた。

そこにやな、水野敬也の名前を見つけた。

この人の本を初めて読んだのはつい先日のこと。もしかしたら何週間か前のこと。我が敬愛すべき◯○◯◯◯◯○◯◯氏が貸してくれた本の中にやな、『LOVE理論』とかいうタイトルの本が一冊あったワケですわ。著者名を見ると水野愛也とあるが、あんたどう考えても水野敬也やんけ!と思いながら読んだらこれが面白いわためになるわ俺はこの人のことを一気に好きになりそして彼の言葉に耳を傾け彼が俺に見せる夢を追いかけたい気持ちで満たされた。

そんな素敵な水野敬也の本。買う他ない! しかもこの『夢をかなえるゾウ』は前によく読んでるブログでレビューなんかが上がってたりして、実は前々から気になってた。まあ今日タイトルを改めて視界に収めるまでは忘れとったけどもやな、まあそんなこんなで買うてみました。

まあ内容は大体どっかで既に書かれてそうな自己啓発本の典型という感じやったけども、最近の自己啓発本は皆そうなんかしらんけども、自分で「こんなん皆言うてることやで」とか言いよるわけよ。大胆にして不敵。

そう、これはとても大胆で不敵なことだった。全く気後れしないだけでなく、そもそも敵を敵と思っていない。それは何も相手を見くびるとかそういうことではなくて、もうそのまんま、貴方は敵ではないむしろ愛すべき人だとかそういうことなワケ。いやそんなこと書いてないけど書かんでも伝わるものの方がそこに書いてある1000の言葉より幾分も信用に足る言葉信用したい言葉なのは明らかなわけだ。

みたいな話をしていても、本を読んでいてその時々出てくる内容を頭に放り込んでいる時にも、俺は我が敬愛すべき師匠俺が勝手に思ってるだけの師匠内田樹のことを思い出した。敵を敵と思わない男の話にしろ、まず与えるという具体的な自身の動作から贈与の連鎖は起動するという話にしろ、内田樹は何かの本でどこかしらに書いていた。俺はそれを読んでいた。俺は内田樹を敬い愛しているし水野敬也もまた敬い愛しているそんな彼らが口をそろえて同じような事を言ったり体現したりしているのだからこれはもう信じる他ない。

そもそも、そもそもそもそも、何が良いだの悪いだのは我々の勝手な決め付けでしかなく、元々我々が良いだの悪いだのと判断するものは良くもなく悪くもなくただそこに存在しているのである……みたいなことは、特にここ最近繰り返していたような気がする。驚いたことに、このことすら『夢をかなえるゾウ』には書き記されていた。男水野敬也どこまでも俺のツボをついてきやがる。

ところで、この本では一日一つという体で必ず実行すべき課題が課されます。自分でまとめるのは七面倒臭いんで検索したら一発で出ました。便利ですね。
夢をかなえるゾウ 課題のまとめ - NAVER まとめ
こっちよりウィキペディアの方が見やすいですね。

1. 靴を磨く
2. コンビニで(お釣りを)募金する
3. 食事は腹八分目にする
4. 人の欲しがる物を先取りする
5. 会った人を笑わせる
6. トイレ掃除をする
7. まっすぐ帰宅する
8. その日がんばった自分を褒める
9. 一日何かをやめてみる
10. 9.に関連して、決めた事を続けるための環境を作る
11. 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
12. 自分の得意な事を人に聞く
13. 12.に関連して、自分の苦手な事を人に聞く
14. 夢を楽しく想像する
15. 運が良いと口に出して言う
16. (何かを)ただでもらう
17. 明日の準備をする
18. 身近にいる大切な人を喜ばせる
19. 人のいい所を見つけ褒める
20. 19.に関連して、人の長所を盗む
21. 求人情報誌を見る
22. お参りに行く
23. 人気店に入り、人気の秘密を観察する
24. プレゼントをして喜ばせる

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E3%82%92%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%88%E3%82%8B%E3%82%BE%E3%82%A6

ほんでもってやな、一番大切なのはやな……とガネーシャこと水野敬也は語る。一番大切なのは……これらを全部毎日実行することや常に実行し続けることや。こんなもんなんぼでもその辺の本に書いとんのや。それでも誰も変われずにそれらの本が延々同じ内容の本が売れ続けるのは誰もそれを実行せんからやと語る。だから一番大切なのは、ガネーシャの出す課題なんかじゃなくてガネーシャの語る言葉なんかじゃなくて、それらを受けて自分で考えて実行に移すことそのものや…。そう語るのである。

そう言えば、こないだ脱社畜ブログさんでも同じような内容のエントリがありましたね。

まあきっと俺は貴方はこの本を読んだからと言って100%上に上げたような課題を達成し続けることは出来ないでしょう。でも、それでいいとガネーシャ水野敬也は語る。そんな事だけが人生じゃない。全部引っ括めて認めようぜと。圧倒的包容力。俺の脳は蕩けて体中の筋肉は弛緩し穴という穴からあらゆる汁を垂れ流しただ空を仰いだ。そして理解した。これが、これこそが"""愛"""なんだ……。内田樹は言った。贈与とは本来的にされるものであるからこそ、するものなのである。俺は今確かに水野敬也の愛を祝福をそして輝かしい未来への福音を受け取っていた。

まあ、読んで面白いだけじゃなく少なくとも多少は我々の行動の変容をもたらすであろう工夫として具体的すぎる程に具体的な指針が示されていたりするのは本当にありがたかったりする。せんせーだのバイトのてんちょーだののアドバイスを聞く度に、「で、結局あたしゃ何をすりゃいいんでしょ?」と頭を悩ませていたノータリンの僕には、そういう気遣いが本当にありがたい。もし少しでも変化があったのなら俺と水野敬也御大の試みは成功である。

最後に、面白いな、と思ったのは、この『夢をかなえるゾウ』にしても先に読んだ『LOVE理論』にしても、どちらもそれぞれ異なる具体的アドバイスはあるのだけど、本質は同じということである。なんだかそういうところも内田樹っぽい。良し悪しは別にして俺としては圧倒的に良しだけど、ともかく俺はそういうところが好きだ。

ええ本読んだ!