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なぜオバマ大統領は、寿司を半分残したか

プレジデント 6月18日(水)14時15分配信

なぜオバマ大統領は、寿司を半分残したか
銀座久兵衛 主人 今田洋輔氏

 ――久兵衛は大物政治家が利用しているというイメージがあります。

 【今田】うちはもともと宏池会のご利用が多かったんです。いわゆる吉田学校、吉田茂をはじめとして、池田勇人、佐藤栄作、大平正芳、宮澤喜一、そういった方々にご愛顧をたまわりました。

 ――外国の方にとっても、寿司を食べることが一般的になってきていますね。

 【今田】そう思います。寿司が海外の方にも受け入れられている理由はいくつもあるでしょう。例えば40年以上前からアメリカでは国を挙げて健康に力を入れています。FDA(アメリカ食品医薬品局)が出した健康のための食生活指針が、伝統的な和食と非常に似ているという話もあります。日本でも魚介類に含まれるDHA、EPAが体にいいなどとブームになりました。だけどそれ以上に、特に日本で寿司を食べた外国人の方が驚くのは、寿司屋のおもてなしの心ではないでしょうか。カウンター越しに対面した状態で、最初から最後まで、料理人が自分のために料理をつくってくれる。「今日はどこどこからこんなものが入ってますよ」「じゃあそれをいただこう」。日本にいると普通の会話かもしれませんが、海外の方からすれば驚くでしょうね。

 ――おもてなしという点で久兵衛とすきやばし次郎では違いはありますか? 

 【今田】うちは徹底的にお客様中心主義です。ちょっと高級な店へ行くと常連ばかりが特別扱いを受けるようなところもありますが、うちの場合は真逆。 常連さんも一見さんも分け隔てなくおもてなしします。私が直接体験したわけではないのですが、うちの常連さんが次郎さんに行くと違和感を覚えることがあるらしい。

 「好きなものが食べられなかった」「一方的に高圧的に寿司を出された」「酒を飲ませてもらえなかった」なんて聞いたことがあります。だけどそれはスタイルの違いかなと思いますね。次郎さんのスタイルがしっくりくるお客様もきっといらっしゃるのでしょう。値段や店内の雰囲気、シャリの具合やネタの鮮度、職人の腕、そしておもてなし。そういったすべてが寿司のうまさを決めると思っています。これからも妥協せずにうまい寿司をご提供していきたいですね。

唐仁原俊博=取材・構成 奥谷 仁=撮影 時事通信フォト=写真

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最終更新:6月18日(水)14時15分

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