米アップルは今秋の発売が見込まれるスマートウオッチについて、複数の機種を用意する計画だ。関係者が明らかにした。グーグルやサムスン電子など競合のウエアラブル(装着型)端末に対抗する狙いがある。

 この関係者によると、アップルはこのスマートウオッチに健康管理データなどを測る10以上のセンサーを搭載。既存のスマートウオッチにはスマートフォン(スマホ)と大きく変わる機能がないという幅広い批判にも対処する。

 アップルは5月、新たなアプリ「ヘルス」を発表し、健康・フィットネス分野への意欲を明らかにした。「ヘルス」はユーザーの体調や健康に関するあらゆるデータを一点で収集するものだが、このデータを収集する自前のハードウエアの発表はなかった。このためアップルが後日、センサーを搭載したウエアラブル端末を公開するとの臆測が飛び交っていた。

 このスマートウオッチは2〜3カ月中に台湾の受託生産大手、広達電脳(クァンタ)が生産を開始し、アップルは10月にも発売に踏み切る可能性がある。広達電脳は長年にわたりアップルのパソコン「Mac」に部品を供給してきたメーカーで、7月にも試験生産を開始するもようだ。

 事情に詳しい関係者によると、アップルはこのスマートウオッチに複数の画面サイズを用意する公算が大きい。部品供給メーカーの別の人物は、年内に出荷するスマートウオッチ台数は計1000万〜1500万台になる見通しだと語った。スマートウオッチの正確な仕様は、大量生産開始に際して最終決定されるという。

 アナリストらは、今後数年間でウエアラブル端末市場が急拡大すると予想。市場調査会社IDCは、ウエアラブル端末の世界販売台数が今年は3倍増の1900万台以上となり、2018年までには1億1190万台に達すると見積もる。