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WIRED VOL.12

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スタンフォード卒、元ゴールドマン・サックスの敏腕トレーダーがデザイナーに転身。ファッションブランドはスタートアップになりうるか

同級生はグーグルマップの開発者、後輩はInstagramの開発者という環境でコンピューターサイエンスを学び、リーマン・ブラザーズやゴールドマン・サックスなど名だたる投資銀行で敏腕トレーダーとして活躍していたラジーフ・サハニが、自身のブランドを立ち上げ、ファッションデザイナーに華麗なる転身を図った。スタートアップマインドを持ったデザイナーは日本のファション業界に何を感じ、いかに挑戦するのか。

 
 
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PHOTOGRAPHS BY KAORI NISHIDA
INTERVIEW BY KEI WAKABAYASHI
TEXT BY TAEKO ISE


ラジーフ・サハニRAJIV SAWHNEY
SAWHNEYデザイナー。1982年生まれ。ロサンゼルス出身。2005年スタンフォード大学コンピューターサイエンス学科卒業。大学卒業後、リーマン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスを経て、金融業界で働きながら、Wスクールでバンタンデザイン研究所 東京ストリートファッションコースに通い、2012年に卒業。13年に「SAWHNEY」を設立する。

──日本は長いんですか?

日本は、かれこれ9年になります。スタンフォード大学で日本語を勉強していて、京都に1年間留学しました。その経験があったので、リーマンブラザーズに就職してから日本支社で働くことになったんです。

──大学の専攻は?

コンピューターサイエンスを勉強しました。同級や先輩には、グーグルマップの開発者やPolyvoreのCEOジェス・リー、後輩にはInstagramの開発者がいました。

──同じ学部の人では、どういうところに就職する方が多かったんですか?

やっぱりIT系でしたね。わたしが在学していた2004年頃は、グーグルがIPOで注目を集めている時期でした。アップルも人気で、この2つに就職するのは優秀な人でも難しい時期でしたね。フェイスブックがまだ無名だったころです。グーグルに行けなくてフェイスブックに行った友人もいましたよ。

先輩は、成績が悪くて就職先がなくって、IPO前のグーグルに就職しました。30人目の社員だったかな。彼は、後にグーグルでマーケティングのヘッドになって、最近ではSquareの日本代表に就任しました。僕が大学にいたのは、そんな時期です。ぼくもグーグルかアップルに就職したかったのですが、無理だったので、じゃあリーマンに行こうかなって。

──それで行けちゃうんですね(笑)。リーマンショックの時も日本で働いてたんですか?

当時は、金融も人気の業界のひとつでした。リーマンショックの時も日本で働いていましたよ。でも結局、リーマンが潰れる1週間前にクビになりました。その後、なかなか仕事が見つからなかったのですが、小さな会社で1年間働いて、2010年にゴールドマン・サックスにヘッドハンティングされました。

──同級生や卒業生で、ファッションデザイナーになった人っていました?

いないです。僕だけですね(笑)。でもみんな「いいじゃん!」とか「かっこいいね!」って応援してくれる人が多いですよ。

──ファッション好きの人は多かったですか? ギークなイメージが強いのですが。

あまりいなかったですね。ファッションよりも、新しいアイデアや、まったく新しい何かを開発したいという人が多かったです。ぼくもスタンフォードにいたときには、新しいこと、興味を持ち続けられることをしたいと思っていました。

卒業後に金融業界で働き出してからは、その思いが薄れていたのですが、ある時から自分のやりたいことをやればよかったなと感じるようになりました。それを実現するために、ファッションを勉強して自分のブランドを立ち上げるに至ったのですが、正直、もっと早く挑戦すればよかったと思っています。

──ファッションの道に挑戦すると決意したのはいつ頃?

2010年に、ゴールドマン・サックスに入社したときです。「やった! ゴールドマンに入った!」と浮かれていました。六本木ヒルズの最上階の一流投資銀行で働いている自分を「俺、やったな!」って(笑)。

でも、それは幸せとは言い難いものでした。ハードな仕事だったし、自分が本当にやりたいことではなかった。けれど3年間は頑張って働こうと決めたんです。

 
 
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