2014年03月16日
択一の流儀(●´ω`●)
第一 本試験の成績
公法系 75/100点 (上位約 22%)
民事系 130/150点 (上位約 約4%)
刑事系 85/100点 (上位約 2%)
合計点 290/350点 (上位約 3%)
順位 268位
合格に必要な得点 220点以上
第二 択一と論文の関係
論文と択一の勉強は,(異論はありますが)別物ですから,択一の勉強は択一の勉強,論文の勉強は論文の勉強という様に,基本的には,両者を切り離して勉強してました。
そのため,択一の解説を読んで,逐一,解説に対応する基本書や判例百選を参照するという作業はしませんでした。
ただ,論文の勉強の過程で得た知識・思考方法が択一で活きることはありますし,また,論文の学習をしている際に,問題集の中で,択一で問われた問題意識に触れる部分があった場合には,下線などを引いて,択一で出題されたことが判るようには,していました。
この択一と論文の相関関係については,両者に強い因果関係が認められるとして,「まずは,択一で280点採れるぐらいの知識を得てから論文の勉強をしよう」といったことが言われることがあります。
たしかに,択一で高得点を採った学生の多くは,論文で高い点数を採って最終合格を果たしています。
その意味で,択一と論文には相関関係があると言えます。
ですが,択一と論文のどちらが原因で,どちらが結果なのかについては,明らかではありません。
持論ですが,論文高得点が原因で,択一高得点はその結果にすぎない,と考えています。
論文で良い点数を採れる学生は,択一においても,効率の良い勉強方法を実践できるから,択一においても,高得点が採れるのだと考えています。
この点の詳細については,以前書いた「論文と択一の相関関係」の記事を参照ください。
第三 勉強方法について
1 要点
勉強方法については,①何を勉強のための素材とするか,②①で選んだ教材をどう使うかが問題となりますが,
僕の場合,①については,過去問集のうち,肢別本(辰巳法律研究所)のみを使用し,②については,肢別本掲載問題のうち,基本的には,過去問の肢のみを対象として,それを何度も解き,肢を見た瞬間に正解が分かる程度にまでする,
という方法を採用していました。
※本試験までに,必ず,数回,日々の勉強の成果を確認する必要がありますが,その方法としては,主にTKCが実施する択一の模試を利用しました。
2 教材選択
択一対策用の問題集としては,大きく分けて,①過去問集,②それ以外のオリジナル問題集の2種類ありますが,僕は過去問集のみを使いました。
その理由は,まず,①過去の出題を見る限り,過去問をそのままorそれを焼き直した程度のものが大半であると感じたことから,過去問を素材に勉強した方が効率が良いと 考えたことにあります。
②ただ,論文の学習方法を択一に転用するなら,過去問集だけでなく,オリジナル問題集まで含めて,深く広く勉強する,という手段もあり得たのですが,それは採用しませんでした。
たしかに,その勉強方法を採用した方が,十中八九,本試験でもっと高い点数を採れたと思います。
しかし,それを実践しなかった大きな理由は,たださえ,論文試験対策として,普通の人よりも手広く問題集に着手しているのに,択一でも同様にたくさんの問題集を解くことになれば,精神的にもたない,と感じたからです。
論文で採用している僕の方法論は,大量の勉強時間を確保し,その上で,市場に存在する有益な問題集をやり尽くすというものですが,これをやりきるには,かなりの精神力を消耗します。
受験時代は,ゴールから逆算して,「今日は,○○と××の問題集の合計35問くらいをやろう!でも,これだと,ノルマを達成できそうにないよなぁ。だからやっぱり,△△の問題集も加えて,45問解こう!それで,明後日は★★の問題種も解いて・・・・」とか,考えては,実行しての毎日でした。
こんな状態で,じゃあ,択一の方も「○○の問題集解いたら,次は,××の問題集を解いて・・・・」とか考えなくてはいけないとすると,時間的には,可能でしたが,心がくじけてしまうと感じました。
以上の理由で,「たくさんの問題集を解く」という方法は採用しませんでした。
ただ,論文の流儀と同様に,一つの問題集で得た知識を,他の問題集を解くことにより,柔軟で汎用性のあるものにすることが出来ますので,「過去問のほか他の問題集も解く」という方法論は,(強靭な精神力の持ち主であれば)おすすめできる,優れた方法論だと思っています。
(1) 過去問集の種類
過去問については,
①5肢択一式(以下,本番形式)問題集と,
★②肢別式・・・・本番で出題された(穴埋+パズル形式の問題を除いた)5肢形
式の問題のみを対象として,その肢を一つ一つに分解し解説を付した問題集(以下,肢別本)
の2種類がありますが,
僕の場合,全科目について,本番形式の問題集は,日々の勉強としては一度も解かず,肢別本のみを使用していました。
(2) 肢別本について
(ア)肢別本採用の理由
本番形式の問題集ではなく,肢別本を採用した理由は,以下の通りです。
①まず,本番で出題される問題は,8~9割が,過去問の肢とほぼ同じものです。
ですから,過去問を「正確に覚える」(=理解)ことができれば,本番の問題も,基本的には,8~9割解くことが出来るようになります。
そして,過去問を「理解」するためには,まず,理解の仕方として,本番形式の問題を単に「正解できたか」否かという観点ではなく,一つ一つの肢について,正誤を判断できるようなったかという観点が必要になります。
そして,それをやるために手っ取り早いのが,肢別本です。
これは,まさに,本番形式の問題を,肢単位に分解して解説を付していますから,肢の一つ一つを理解していくというのに,最適な問題集といえます。
次に,過去問を「理解」するためには,一度問題を解くだけでは足りず,何度も繰り返し同じ問題に目を通し,解いていく必要があります(この点は,論文と同じです)。
ところが,この「繰り返し」という作業は,択一に限らず論文においても,非常につまらないし,大変な労力が必要となるわけですが,特に,択一は単純作業という性質が比較的強いだけに,この弊害が顕著です。
そのため,さぁ択一の勉強をしよう!と思っても,中々やる気が起きません。
すると,勉強が進まない→勉強が進まないから,模試を受けても,点数が伸びない→さらにやる気がなくなって,勉強が進まない→当然点数は伸びない→やる気持が起きない・・・・・とう事態になり,「まぁ,択一の比率は低いから,肢切よりちょっと上の点数を採って,後は論文で逆転すればいいや」等と考えはじめ,結局,択一の肢きりにあう,という負のスパイラルに陥ること必定です。
そこで,繰り返し学習を可能にするためには,できるだけ択一の勉強に着手することについての心理的ハードルを下げることが必要だ,という考えに至りました(勉強の仕組み作り)。
この点,肢別本は,見開き一ページの左側に問題を,右側にその解説を付すというレイアウトになっているため,問題を読んでから解説を読むまでの思考が途絶えなくて済み,サクサク読み進められます。
他方で,本番形式の問題集のほとんどは,問題を掲載したページの裏側にその解説を付す,というレイアウトになっているため,問題と解説の対照に時間がかかり,その間に思考が途切れてしまいます。
この対照作業があまりに煩雑で,イライラした経験があったことから,本番形式の問題集は,忌避していました。
以上の理由から,僕は,肢別本を過去問学習の対象に据えたわけですが,一般的に,肢別本には,本番形式問題集にはないデメリットがあると言われています。
それは,「穴埋め形式とパズル形式」等の問題に対する訓練が積めないのではないか,という点です。
しかし,(異論はあると思いますが)その手の問題も,結局は,当該論点等の「知識」を問うてるだけですので,知識問題のみを肢別本でしっかり習得しておけば,難なく対処できます。
ただ,最も重要なのは,択一学習に対する心理的ハードルを少なくすることですから,僕とは対照的に,肢別本に抵抗感や懐疑的な考えを持ってしまうのであれば,本番形式の問題集を利用した方がよいと思います。
※肢別本には,①辰巳のいわゆる「肢別本」(僕が利用したのは,これ)と,②早稲田セミナーの「考える肢」という本があるのですが,後者は,なんとパズル形式の問題・穴埋め形式の問題などもすべて網羅的に掲載している点で,至れり尽くせりな問題集です。
いずれを利用するかは,完全に好みの問題ですから,お好きな方をご利用ください。
ちなみに,僕が辰巳の方を利用したのは,レイアウトが可愛く,なんだかやる気が起きる感じがしたからです。
(イ)利用方法について
1度肢を解いたら解きっぱなしにするのではなく,考えるまでもなく正誤を判断できるようになるまで繰り返して解きます。
解く際には,わからない肢についても,云々唸って考えるのではなく,一応の解答を自分の中で出したらすぐに解説を読むという姿勢で,どんどん読み進めます。
解説を読む際の注意点として,解説をべた読みしないことが重要です。
すなわち,問題の解説部分は,辰巳の親切心からか,事案の解決にあまり関係しない一般論も書いてあるため,一つ一つの肢について,解説を頭からベタっと読んでいたのでは,到底読み終わりません。
そこで,論文の流儀で登場した「③→②→③メソッド」と同じ様に,まずは,当該問題の解説部分のうち,問いに対する直接の解答を書いた部分を探し,それにサッと目を通します。
その上で,当該解決の理由に当たる部分を探してその部分を読み,一応の納得を得て,一つの肢を終えます。
一つの肢にかける時間は,民法を除き,おおむね,5・6秒ぐらいになるかと思います。
後は,この繰り返しです。とにかく,早く読み進めることが重要です。
ゆっくり時間をかけて解くよりも,なんとなくわかったかな,という程度の理解を得たら,とっとと次に進み,繰り返しの回数を増やそうという姿勢が大事です。
なお,一つの肢を解くたびに判例百選や基本書の該当部分を参照する等して,択一と論文をリンクさせるという方法論がありますが,僕が採用しなかったことは,冒頭で述べた通りです。
(3) 模試について
本試験で高得点を採るためには,本試験までに,一定の回数,自己の学習成果を確認する機会を設ける必要があります。
これは,①自分が採用している方法論が,正しい方向を向いているのかの検証という意味を持つほか,②模試を利用してこれを行う場合には,受験生との関係での相対的な位置がわかること,また,順位が出るため,モチベーションのアップにつながる,という意味があります。
僕の場合,TKCが定期的に実施する全国短答模試をすべて受験することによって,学習成果の確認をしていました。
これは,僕の過去の記事を読んでいただければ明らかですね。
TKCについては,ロースクールによっては,2年生の段階では受験できず,3年生にならないと受験できないところがありますが,受験できるならば,2年生の段階から,すべて受験することをおすすめします。
TKCの問題については,難しすぎるとか,本試験の出題傾向に沿ってないといった批判がされて,受験しないという学生が一定数いますが,僕は,受験することを強くおすすめします。
というのも,①僕が見る限り,TKCの問題の中には,たしかに,本試験の難易度を超える肢が出題されているのですが,その大半は,過去問の肢をそのまま出したものORそれを焼き直した肢で構成されています。
肢単位での学習,肢単位での正誤を検証する点に,模試の意義を見出すならば,TKCの模試を受けて,「過去問類似の肢を正解できているか」を確認することには,大きな意味があるわけです。
また,②批判されているほど,TKCの問題が本試験から離れているとも思えなかったこと,③学習成果を確認する代替手段がTKC以外になかったから,という消極的な理由もあります。
以上が,択一の流儀です(^ω^;
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この記事へのコメント
もし解いたことがあれば、講評いただけないでしょうか。。。
解いた問題について基本書等は参照されないとのことですが、解いた箇所に関連する条文を六法で参照することもされなかったのでしょうか。
赤松先生の連載については,僕は,一部の問題を厳選してですが,繰り返しやりました。
例えば,集合動産譲渡担保を題材にした問題が3つほどあるのですが,それをやったり,最新判例を題材にした問題や危険負担の問題などをやりました。
選別の基準については,他の問題集でも触れている問題意識を題材にしたものや,最新判例を題材にしているか等を基準にしていました。
条文を参照することは,基本的にありませんでした。
理由は,①肢ごとに条文を参照すると,肢一つを終えるのに時間がかかりすぎる結果,肢を繰り返すことが困難になること,②条文を逐一参照したからといって,本試験で正解にたどり着く可能性があがるとは思えなかったからです。
もっとも,憲法の統治の分野については,条文を参照することがありました。
条文を引かずに繰り返すのであれば、相当高速で回転することができますね。 一肢あたり5~6秒と書かれていたので、条文を参照されずに回されていたのかなと思い質問させていただきました。
重ねて質問で申し訳ないのですが、最後にもう一つだけ質問させていただいてよろしいでしょうか。
記事中に
「基本的には,過去問の肢のみを対象として,それを何度も解き,肢を見た瞬間に正解が分かる程度にまでする」
と書かれています。
例えば、民事訴訟法の平成25年度の肢別本では、全肢1183中、過去問肢(新司法試験、予備試験)は659肢程度しかありません。 i_panさんの方法ですと、この659肢を繰り返したということでよろしいのでしょうか。
659肢という数は、過去問全部を肢で割った数から比べるとかなり少なく思います。 受験生心理としては、もう少し手を伸ばした方がいいのではないか、などと思ってしまうのですが、i_panさんは、肢別本の過去問肢を完璧にすることで、280点程度は取れると考えておられるのでしょうか。 詮索となって申し訳ないのですが、i_panさんはこの方法でTKC模試でもやはり高得点をとられていたのでしょうか。
お時間があるときにお答えいただければ幸いです。
わたしは「とにかく基本書を読み続けろ」というローの指導を字面のまま鵜呑みにしてしまい、一時はかなり迷走した受験勉強を行っていました。。。
昨秋から思い切って方針を変えて、こちらの記事で有益に思えた素材や方法論、それに合格した先輩方のアドバイスを適宜取り入れています。
修習の方が何かと大変だとは思いますが、民法や公法系の流儀シリーズもいつか紹介されるのを陰ながら楽しみにしています^^
他の方もそこまでメインで扱っていなかったので、他の連載をやろうと思います。
お忙しい中ありがとうございました。
はい、豊田さんのおっしゃる通り、僕は、過去問の肢を対象にして、それを正確に覚える(=理解)
ことができれば、少なくとも、8割は採れると考えています。
また、この方法で、もちろん、tkcにおいても、相対的に高い点数を採ることができます。
過去問の肢のみでは、絶対量が少ないのではないか、という点ですが、
そんなことはありません。
過去問の肢を見た瞬間に、その正誤を判断できるようになったのであれば、
本試験において、少なくとも8割は余裕で採れると思います。
ただ、記事の中で、書いたように、論文の方法論と同様に、多くの問題集を解いて、
過去問の肢を多面的に理解する、方法は、時間と体力があるのであれば、優れた方法論
です。もっとも、その場合でも、まずは、過去問の肢に繰り返し取り組み、その肢をすべて理解してから、他の問題集に着手するのがよいでしょう。
桜さんは、文面から察するに、女性ですよね!
まさか、女性の読者がいらっしゃるとは・・・・感動です(^ω^;
さて、僕も、ロー入試、学内の定期試験、模試等を通じて、あれこれ色々な勉強法を
実践しては、失敗の日々でした。
ですから、桜さんが言う「迷走」の体験は、僕も同じく経験しているところです。
流儀シリーズの続編については、割とニーズがあることもわかったので、頑張って書こう
と思います。
かなり大変ですが笑
足りない足りないと考える前に、本試験肢を完璧にすることを目下の目標にしたいと思います。 実際、i_panさんがこの方法論で本試験で290点とられているのだと思うと励みになります。 ありがとうございました!
勇気付けることが出来たのであれば,僕としても幸いです(^ω^)
民法の流儀ですが,本当に申し訳ないのですが,あと少しだけ待ちください(;ω;
その代わりといっては何ですが,最近出た民法の本の書評をしますので,参考にしてください。
※この本は、超おすすめできる問題演習書です。
僕も(問題演習書の不足による勉強量の低下により)民法は苦手でしたが、仮に、受験時代にこの本が出版されていたら、僕は民法を愛し、超得意科目に出来ていたと思います。