あざなえるなわのごとし

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ヒマなブロガーがカレー屋でグルメレポしてみた

オウンドメディアをブロガーの寄稿で盛り上げる - はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなブロガーには、すごい書き手がたくさんいます。このブロガーさんと一緒になることで、何かできるのではないか。書き手の後押しもできるのではないか。ぐるなびさん、リクルートキャリアさんも「確かにそうだよね」と仰って頂き、今回ご一緒することになりました。

素晴らしい書き手溢れるはてなの中で、見向きもされない”あざなえる〜”という泡沫ブログをやっております。
こんばんは。
寄稿依頼が来ないので*1、勝手にグルメレポートをやってみました。
ご賞味下さい(食べログ文学風味)。


日本というのはなぜこれほど食が豊かなのだろう。
各国の料理は、日本式にアレンジされ、独特の発展を遂げ、独自のリミックスをされている。

様々な国の素晴らしい料理が、一つ通りを歩くだけで右左、
まるでハーレムの美女のように立ち並び私を魅惑的に誘う。
時には芳醇な味わいを想像させ、
時には流麗なその香りで私をふと立ち止まらせる。


夕方になって、仕事から開放された私は、ふらふらと、
路を行く度に袖を引く魅力的な食の誘惑を振り切り、

最近出来たばかりの一風堂での赤丸新味の香味油と辛みその少しぴりりとしたアクセントを思い出したり、
豚骨スープをベースに技巧を凝らした風来居に後ろ髪を引かれつつ、
つけ麺と言えば並ぶ価値のある風雲児だけれど、
今日はカレーの気分で、
魅惑的だが粗野な印象もあるもうやんカレーもいいけれど、
今日の目当てはちょっと違う。

新宿警察署の正面、新宿野村ビル脇のエスカレーターを降り、
地下に入ると通路脇に店が並んでいて、その中の一軒にふらふらと導かれる。
インド式 チャオカリー(炒伽哩)新宿野村ビル店。
インド式チャオカリー

昔、西早稲田に「夢眠」というお店があった。
30年以上営業していた老舗だったんだけれど、
たっぷりと大きな具材とスープのようにさらさらとしたカレーのお店で、
そこが惜しまれつつ閉店してしまった。
今は、そのカレーのDNAは、この炒伽哩のチェーンで味わうことが出来る。

まだディナーには早いせいか店内は空いていて、
小洒落た雰囲気のジャズが流れていて、
手書きの文字が踊る黒板の出された店頭はまるで小さな喫茶店。
明るい店内。
全体的に黄色い印象の内装は、カレーのイメージ、
打ちっぱなしの壁に抽象絵画がかけられていて、
オレンジイエローのソファー。
木製の椅子とテーブル、カウンターのシンプルなお店。


カウンターの向こうにガラス越しにキッチンが見えて、
そこで作られる過程を見れるのも楽しい。
炒伽哩の魅力は、ゴロゴロ入った野菜や、豊かな組み合わせで、
ブロック遊びのように様々に変えられるから、
その日の気分で選べて飽きることが無い。

今日の気分は野菜。
野菜が食べたい。

席についてメニューを見ながら
具の組み合わせと、辛さ、御飯の量を選べる。
食べるのは好きなのだが、食が細いので、御飯は普通、
辛さは4(少し辛め)にしてみた。

人によっては30だとか50だとか。
そんなのは遥か彼方だけど。
まだそこまで挑戦する気になれない。


それほど待たされることも無く運ばれて来たカレーは、
少し変わった盛りつけで、
お皿に敷かれたライスの中心に、少量のカレーが乗っていて、
その脇に3粒のレーズン、
これがいいアクセントになる。

皿に平たく敷かれたライスは意外とボリュームがあって、
初めて来たときは少ないかもと思ったけれど、
食べてみると見た目より量があった。

カレー特有のスパイスが複雑に混ざり合った香りが一気に広がる。
別のソースポットに盛られたカレーはたっぷりとしていて、
見ただけで胃袋が歓喜の声を上げた。


本日は、なす・ピーマン・オクラ・トマトが入った季節限定のサマーカレー。
定番のエッグカレーにしてみた。
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スプーンを手に取り、皿の中央に盛られた具を突き崩しライスと一緒に口に運ぶ。
さらさらとしたカレーはライスに染み込んでいる。
半月に切られ、油を吸ったなすのうまみ、
崩れたトマトの酸味が下の上でスパイスと輪舞を踊る。
オクラの少しねっとりとした食感や、ピーマンの苦みが時折現れ、
幾ら口に運んでも飽きることが無い。
私はいつもエッグカレーにするのだけど、
タマゴはカレーのスパイスをまろやかに。

皿中央のカレーが減りだすと少しづつ足さずにソースポットによそわれたカレーを、
残ったライスの上に一気にドバッとかける。

ある程度食べ、次はテーブル脇の薬味を加えて変化をさせる。
定番の福神漬けは歯で噛むとコリコリと、少し甘辛い味がじんわり広がり、
水にさらして辛みを抜いたタマネギのスライスではサクサクした食感。
三粒だけの貴重なレーズンも、薬味も、様々な野菜も。
色とりどり、味も食感も万華鏡のように変化し続け、食べ終わるまで一時も飽きることが無い。


酸味、
辛み、
甘み、
こりこり、
さくさく、
かりかり、
野菜の馬にまたがって手を振るインド人の中を走り抜けていく。
クルクルと変わり続ける風景はスパイスのメリーゴーラウンド。

それほど辛さを感じないのにスパイスによって代謝が活発になって、気づくと汗が止まらない。
美味い美味いと汗をかきつつカレーを食べる醍醐味。
カレーは飲み物と言うけれど、ここのカレーは野菜の食感を楽しむから、食べている感じがしっかりする。
皿をきれいにし、ガマンしていた水を一気に飲む。
ごくごくと喉を通る水が口の中のスパイスを洗い流し、汗で出て行った分の水分が一気に補われ、体中にひろがる。
はぁっ、と大きく息を一つ。


カレーは確かにインドの料理。
しかしサラサラのカレーにゴロゴロと触感の楽しい野菜がたっぷり入り、
福神漬けにレーズン、タマネギまで置いてあり、食べ終わるとミカンのシャーベットが出てくる。
そんなお店はやはり日本にしかなくて、だから日本でよかったよ。
食べ終わってまた来ようと思う。
次は何にしようか。
今度は定番でグリーンエッグカレーか。
いや、やはり期間限定だからサマーカレーか。



食べログ文学の壁は厚い。
スパイスの黄金比率で作る はじめての本格カレー

*1:来ても困りますが

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