2014-06-20
■[ライトノベル]ライトノベルのイラストが売上アップの特効薬にならないわけがない
ご無沙汰しております。というかここをまだ見てくださっている方はいるのでしょうか? ラルフです。
紆余曲折あって現在失業中だったりしますが、まあ以前よりは元気です。社長が大陸人だと分かっていれば絶対入社しなかったんですけどね……面接で見抜けなかった僕のミスですわ。
まあ、そんな僕の現状はさておいて、いろいろやることがあるのに(ご迷惑をおかけしてる皆様ごめんなさい)何故わざわざブログなんぞ書いているかというと、こんな残念な記事を見たからです。
何が残念かというと、記事自体もはてブコメントも、イラストの善し悪しがラノベの売上げに影響するかどうか、それに終始しているからです。
断言しますが、この記事で取り上げられている騒動の本質は、そこではありません。
この騒動の根本にある問題は、イラストレーターの善し悪しが売上に影響するかではなく、イラストレーターの知名度が売上に影響するかという問題だからです。
では知名度が売上に影響あるかといったら、僕はあると答えます。何故なら実例を知っているからです。
僕の知り合いがむかし、小説同人誌を作ったことがありまして。その表紙絵を、かなり人気ある(商業の仕事もバリバリこなす程度には)イラストレーターさんにお願いしたんですわ。
その結果もちろん素晴らしい絵が上がってきまして、僕の知り合いは思ったそうです。これならバリバリ売れるやろと。
しかし現実にはそうはいきませんでした。書店委託ではそこそこ数が出たんですが、自分で確保したサークルスペースに置いたぶんは全然売れなかったわけですね。
それ自体は仕方ないのですが、知り合いが一番びっくりしたのは、同じ本をイラストレーターさんご本人のスペースに置いてもらったら恐ろしい勢いで売れたということです。壁の地形効果ってすげーなと思いましたよ。
つまり何が言いたいかというと、いくら素晴らしい絵が表紙を飾っていても、それが人の目に留まらなければ意味がないということなのです。人はそれを知名度という言葉で表現するわけですね。
今回問題になった事例でいうと、艦これで描いてるコニシさんとひよこ西さんは同一人物である以上基本的に同じ絵を描くわけですから、「イラストが良い」ことは保証されています。艦これの金剛型があれだけ人気あるわけですから。
しかし、コニシ=ひよこ西だと知っている人はそんなにいません(現に僕は今回はじめて知りました)。よって“艦これのコニシさん”のファンの大半が、今回の作品のことは知り得ないわけですね。つまり今回の事例で不足していたのはイラストのクオリティではなくイラストレーターの知名度だということになります。
そんな中でラノベ作家のほうが“艦これのコニシさん”の知名度を利用しようとしてしまったというのが、今回の悲劇なわけですよ。
とはいえ、僕にはくだんのラノベ作家氏を擁護するつもりは微塵もありません。
商業の場で本を出させてもらっている以上最低限踏み越えてはいけないラインというものがありますし、作家氏の行動は明らかにそれを逸脱しているからです。
ラインを踏み越えたければ小説を同人誌にでもして出せば、という感想になります。
というかラノベには知名度がモノをいう事例が他にもあるじゃないですか。大正義電撃文庫っていう。
あと、PCゲーム界隈だと、ブランドの知名度がイラストレーターの知名度より上な場合がありますよね。
個人的には、ラノベで絵がモノをいうっていうのはあると思っています。
ただ島風が表紙を飾った(笑)電撃大賞の売上がすごかったとも聞かないので、まあ難しいですねとしか。