政府は20日発表した6月の月例経済報告で、国内景気の基調判断について「緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる」とし、2カ月連続で前月の判断を据え置いた。4月の消費増税で減速した個人消費は、一部に持ち直しの動きがみられるとして上方修正した。
輸入や生産は消費増税による駆け込み需要の反動減で落ち込んでいるものの、企業収益の改善で設備投資は増加している。内閣府は足元の景気について「引き続き基盤はしっかりしている」と分析した。
個人消費の判断は「引き続き弱めとなっているが、一部に持ち直しの動きもみられる」とし、前月の「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きとなっている」から上方修正した。個人消費の判断を引き上げるのは5カ月ぶり。自動車などの耐久消費財の売れ行きは鈍化しているものの、百貨店やスーパー、コンビニでは回復の兆しがみられる。
輸入の判断は、「このところ弱含んでいる」とし、5月の「横ばいとなっている」から3カ月連続で下方修正した。欧州からの自動車の輸入が落ち込むなど、反動減からの回復が弱い。
国内企業物価の判断は「このところ緩やかに上昇している」とし、5月の「横ばいとなっている」と表現を変えた。足元で電気料金やガソリン価格が上昇していることを映した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕