いつか朝日が昇るまで

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「イクメン」はなぜ炎上するか

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以下のトピシュ(id:topisy)さんの記事を読みました。そこで以下の部分が一番気になったところであり,実はこの部分が一番の炎上要因ではないかと考えているので引用します。

 

 ご本人のTwitter等を拝見すると実際そうだと思うのですが、例えば家事育児をする女性の立場ではある意味当たり前のことであるため、イクメンと自負するのはこれだけでアウトです。

 "イクメンの疲れが倍増する妻の言動"から見る夫婦の対立構造 - 斗比主閲子の姑日記

 

 

例えば自分のことを「俺,イケメンだぜ」と狩野英孝みたいな発言をすれば,「どこがイケメンなんだ!!」と言われるのは必至です。つまり「イケメン」というのは他人(女性)が見て「イケメン」がどうかが決まるのであり,自称であってはいけないわけです。

 

これは「イクメン」にも当てはまり,「俺はイクメンだと思う」と言うと,必ず突っ込みどころを見つけられ指摘されます。女性の側から見ればそもそも育児は夫婦でやるのが当たり前なのだから,「イクメン」なんていうのが間違いだと,「なんちゃってイクメン」なる言葉も登場し,「イクメン」という言葉そのものも批判の対象になっています。

 

しかし「イクメン」という言葉がなぜ生まれ,それがここまで広まったのか,あるいは広めようとしているのかというのを考えると,また別の面が見えてきます。以下の駒崎さんの記事を読むとそれがよく分かります。

 

イクメンというコンセプトを世に提示し、流布させ、男性の育児参画の文化を創ろう」ということで、厚労省有識者で2010年から始めたイクメンプロジェクト。

初代座長のファザーリングジャパン安藤さんのもと、全国での「イクメン」という言葉の認知率は、初年度の17%から、2013年現在、日本人がほとんど知ってるレベルの約95%にまで上がりました。

今後は、知ってもらうフェーズから、実践者を確実に増やすフェーズです。
そして、イクメンをサポートする各種制度を整備していかなくてはなりません。
それは企業においては男性の育休取得推進ですし、国家においては育児休業給付金の割り増しやパパクォータの実現です。 

厚労省イクメンプロジェクトの座長になりました | 駒崎弘樹公式サイト:病児保育・小規模保育のNPOフローレンス代表

 

そもそも「イクメン」というのはすでに育児をしている男性を「イクメン」と呼ぶことを目的にしていたのではなく,「イクメン」という言葉を作り,認知度を上げることで男性の育児参加を促そうという意味のものなのです。

 

そのため「俺,イクメンだぜ」という発言をする男性が増えるのは,「イクメン」という言葉を作った当初の目的に適ったものであり,「俺,イケメンだぜ」という狩野英孝のギャグ(?)と同列に扱ってはいけません。またこの「イクメン」という言葉は「男性の男性による男性のための」言葉です。そのため男性が自称「イクメン」としてふるまって育児に参加していく人がいるのは当然の流れです。

 

しかし先ほども書いたように,そもそも夫婦で育児をするのが当然だという視点に立てば,「イクメン」なる言葉そのものがおかしいとなるのも理解できます。女性の側から見れば当然でしょう。ただし先ほどの引用部分にもあるあるように,現在はまだ「イクメン」の認知度アップ,男性の育児参加を促すという段階なわけで,実践部分では不十分な自称「イクメン」が増殖しているのは仕方がありません。重要なのはこの「イクメン」の次の段階であり,それは男性の側でも考えられています。

 

このままイクメンが海の藻くずと消えて、情けなく死語化していくのか、エコのようにあまりに当たり前過ぎて、ことさら言うなよ、的な存在になっていくのか、大きな分かれ道です。

厚労省イクメンプロジェクトの座長になりました | 駒崎弘樹公式サイト:病児保育・小規模保育のNPOフローレンス代表

 

こうした「イクメン」プロジェクトの先には「イクメン」という言葉が発展的に消滅することが目的にされていますし,実際に育児をしている男性の中にも「イクメン?何を今さら」という視点を持っている人もいます。

 

だから子育て中の女性の皆さんには自称「イクメン」に対して,「それはイクメンではない」と指摘するよりも,「こうしたらもっとイクメンになれるのだよ」と指摘してあげてほしいものです。そうすることで「イクメン」なんて言葉はなくなっていくと思いますし,「イクメン」炎上案件は無くなるのではないでしょうか?

 

 

イクメンで行こう!―育児も仕事も充実させる生き方

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