久々に、フォロワーさんのつぶやきからアイデアを得て、精神疾患に関する話。
精神科の入院って、体は正常だから代謝落ちている訳でも、寝てなければならないわけでもないので、間食しながらゴロゴロしてたら罠にハマる…
— あんのん@入院中~ (@annonsorujia) 2014, 6月 20
入院ではないが、僕も今は躁うつ病の影響で寝込んだりしてる。そんで、経験上この話は覚えがある。
一見すると、精神疾患を患った人の生活リズムはだらしなく、見た目からしてもあまり健康そうに見えない。それゆえ誤解を招くことがあるから色んな事を書いていきたい…と思い立った。
- 少なくとも確実に…なまる!
太ると言っても二種類の太るがある。
1つは「筋肉が抜けて体重は変わらないのにぽっちゃりして見える」というやつ。
もう1つは「体重が増えて太る」というやつ。
あらゆる精神疾患に当てはまるのは前者だが、私がかかってる躁うつ病は性欲や食欲にムラが生じるため、正直言って体重も増えやすい。(薬によっては…といパターンもあるらしいけど、僕は詳しくないので割愛)
「運動すればいい」「食事制限すれば?」と指摘する人もいるだろう。正論だ。でも、正論で体が動かないぐらいに心と体のバランスがズレてるから抗鬱剤飲み、寝込み、人によっては入院する。
平たい話が「やりたくてもできない」のだ。能力が落ちてて普段の何倍も疲れた、そもそも気力が起こらなくて動けなかったりするわけだ。
そりゃ、精神を病んでで寝込んでるヤツは健康な人から見たら怠け者で、マイナス思考で、まともなことを言っても病気ゆえに怒らせてしまうから扱いづらい。
でも、病気っぽい(せきや外傷などの)症状がないから病気だと言われてもピンと来ないからついつい知らない相手に正論をぶつけて怒らせたり、不快に思われたり…てことはある。
本気で辛い時に、病名が欲しくなったり、病名まで行かなくともメカニズムとして何が起こってるかを知りたくて仕方なくなる。そんな精神疾患者の気持ちは正論に対して何も言えない自分と正論で動けない自分に対するいらだちと疑問から来てる。
かくいう僕も、躁うつ病の診断をされる前は頭痛も、睡眠障害も、体が痛むのもいつまで続くか、なぜそうなってるのか、なぜ普段通りできないのかわからず、とにかく苦しかった。
今はそうでもないのだが、一週間分のレシートの数字を足し算するだけで頭痛がしたり、(この僕が)3000文字のブログが書けないからTwitterしかしなくなったり…軽く自分のアイデンティティが崩壊したよ?能力低下と体調不良が限界を迎えると人間は自分が何者かさえわからなくなるんだよ?
そんな時に運動だの健康だの言われてみ?乾いたため息しか出てこない。
…とトラウマを思い出して書きなぐったが、体は僕のメンタルと頭脳がどれだけぶっ壊れていようがお構いなし!筋肉は劣化して、太って、酷い時はいらないご飯を食べたがる。生活習慣を整えるのは大事だけど、暇で能力が落ちて娯楽が楽しめない時にはついつい入らない食事をとってしまうから自律できないとより太りやすい。
太らなくても、結局は動いてないのだからなまる。
だから、メンタルを治したら、その後で身体のなまりを治さないといけない。しかも、週ではなく月単位で寝込んでいるため、大きな骨折や事故で入院した人と同じぐらい体がなまるし、どの程度負荷をかけていいかわからなくなる。
しかし、意外とわかってもらえないから「上向きになったら働けるよね?」と頭ごなしに言われる。まさか!
体が太った痩せたの問題ではなく、思いっきりなまっているのがまず一点。そりゃ、お金がない生活・倹約する生活は辛いから早く仕事を始めたいところだが…いきなり再開しても体がついて行かないため、病んでしまったら「しゃーない」と割り切る癖をつけて無理のないようにしないといけない!(また、その「しゃーない」を理解してもらったり、配慮してもらえる環境を周りに対して作らないといけない)
もう1つが「メンタルヘルスは再発する危険がある」という問題。うつ病は「心の風邪」と言われるが、むしろ「心のガン」だ。「完治」はしない。良くなって収まる「寛解」と呼ばれる状態になるだけで、再発のリスクはある。ガンが「5年生存率」で再発のリスクを含んだような言い回しで状態が語られるのと同じようにメンタルヘルス全般も良くなると「寛解」で定義される。
めんどくさいでしょ?でも、かかりたくてかかってるわけじゃないから患者に悪く言われても困るわけだよ。むしろ、仕事や生活をがんばったり、それらへの責任感から生じる病気だから軟弱者扱いされたり、面倒くさがられたりしても困るわけだ。
理解が深まらないような報道も多いし、病んだこともない理解のない医者が多いから治る段階に合わせたアドバイスもできなければ、病院で一通り自分の病気や身に覚えのあるエピソードを語らないとなんの病気かも突き止められない。
常に段取りが遅いか情報不足で、体験者に聞いたり、試行錯誤したりして葛藤しないといけなくなる。
メンタルや生活習慣はもちろん、太らないようなまらないように、でもむりはしないように生活を回していくのまた試行錯誤の一つ。
「ゼロからのスタート」なんて言葉があるけど、病名がわかるまではむしろマイナス。自分がどうしてこれほどできなくなってしまったを突き止めることからスタートする。
マイナスから毎日毎日良くわからない頭痛や能力低下に悩みながら病院に行ってゼロまでたどり着く。
ゼロになった自分が今までの自分のやり方・生き方が通じなくなった自分が恐る恐るどうやって生きていくかを考える。
1つづつ言葉にしたり、形にしたり…イチを継ぎ足していく。
すごい病気だよ。全部病気のせいだと言えば後ろ向きに思えるが、この病気は人をガラリと変えてしまう大きな影響を及ぼすよ?心だけじゃなくて、体も時間もモノの見方も変わるよ。
だけど、心を病んだばかりの人に不安がらせないために「心の風邪」とうつ病を呼び、精神科でも(半年かけて治すようなものでも)「軽度な」という言葉が付くけど、治してる側から見れば不遜な話だ!
人を見下してかかるバカが誤解するから「軽度でも半年以上」「うつ病は完治はしない」「憂鬱と鬱を混同するなボケ」積極的に流布すべきだと僕は思う。
「精神病が太る」も精神病をどう治すか、向き合うかがわかれば、別に目新しい話じゃないんだよ!でも、何ヶ月も寝込んでる人・活力が起きない人の存在を知らない人は「だらしがない」「覇気がない」「そんなことは知らない」と言う。
いたわらなくていいから、せめて察してもらいたいなぁ…と思ってこんな話を書かせてもらった。頭ごなしに言われる人を見るといたたまれない気持ちになるので。
ゼロうんぬんという話はこの本を参考にしました。