千葉県警からの約140回にわたる督促に応じなかった結果、自宅前の愛車はテープが巻かれ、タイヤには輪留めが-。「こんなことになって恥ずかしい」と所有者の男はついに観念したという。
違法駐車に伴う放置違反金など約20万円を滞納したとして、県警は19日、道交法などに基づき四街道市の60代の男の乗用車を差し押さえた。県警による同様の差し押さえは2件目。
約1週間以内に納付がなければインターネットオークションに出品され、落札された場合は未納分を回収する予定だったが、男は同日中に県警本部を訪れて現金で一括納付した。
交通指導課によると、男は2010年8月~今年5月までの間、主に千葉市内などで12回にわたり駐車違反し、延滞金を含め約20万円を滞納。県警は書面や電話で再三督促したが支払われず、銀行口座などが不明で回収できないことから、差し押さえに踏み切った。
放置違反金は違法駐車車両の使用者に納付を課す制度で、県警は今年1月から悪質な滞納者の車をオークションに出品する取り組みを開始。同月に千葉市内の40代の女の軽乗用車を差し押さえたが、この時も女が未納金を即日納付したため出品は見送られている。
県内の放置違反金滞納は5月末現在で約2万300件あり、未納金は約2億9千万円に上っている。同課の担当者は「今後も悪質な滞納者に対し積極的に車の差し押さえを行う。逃げ得は許さない」と話した。