韓国政府「日本の河野談話検証強行に遺憾」
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は20日、慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官談話について日本政府が検証結果を公表したことに対し深い遺憾を表明した。
韓国政府は外交部報道官声明を通じ「日本政府が河野談話を継承するとしながら検証を行ったこと自体が矛盾した行為だ」と指摘。談話の検証が無意味で不必要なことだと重ねて強調してきたとして、日本政府を批判した。
また、「日本政府は河野談話の検証について談話の作成経緯を客観的に調査することが目的で慰安婦問題に関する事実関係をあらためて明らかにするためではないとしているが、検証結果は事実関係をごまかすことで河野談話の信頼性を損なう結果をもたらす内容を含んでいる」と非難した。
声明を発表する外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官=20日、ソウル(聯合ニュース)
韓国政府は「河野談話は日本政府が自主的な調査と判断を基に日本政府の立場を盛り込んで発表した。われわれは、真相究明は両国間の交渉の対象ではないという立場を明確に堅持した。日本側の度重なる要請を受け非公式に意見を提示したにすぎない」と明らかにした。
また、16人の元慰安婦女性の証言こそ、慰安婦問題の強制性を立証するいなかる文書よりも強力で明確な証拠だと強調した。
韓国政府は、日本政府が公表した検証結果に対する評価と立場を示す予定だとした上で、国際社会と共に対応措置を取っていく方針を明らかにした。
これまで約20年間、国連や米国議会など国際社会が、慰安婦問題について、日本政府が責任を認めるよう措置を促しているにもかかわらず、措置を取らずに検証という口実を用いて、被害者の痛みを再び刺激する行為は、国際社会が決して容認しないことを日本政府は理解しなければならないと警告した。
また河野談話を継承するという安倍内閣に対し、過去の過ちに対する真の反省に基づき、被害者に対する責任をはっきりと認め、一日もはやく被害者が納得する解決策を提示するよう求めた。
日本政府は同日、河野談話について、談話の作成過程で韓国政府との文言調整があったとの結論を盛り込んだ検証結果を国会に報告した。
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