2014-06-20
■[TV]まゆゆは正統派アイドルなのか?問題

作家で脚本家の中沢健さんが「宇野常寛氏の「まゆゆ1位は予定調和」発言に反論する」という動画をあげていた。
ざっくり書くと宇野さんは正統派/優等生アイドルであるまゆゆが一位になるのはおもしろくないと各メディアで言っていて、それに対して、中沢さんが実はまゆゆは正統派アイドルではない、一位になりにくいタイプのアイドルだからこそ予定調和を壊したのでは?という意見をぶつけている。
これを聞いてぼくがまず思ったのは「まゆゆは確かに正統派アイドルではない、だが正統派アイドルとして生まれ変わったのでは?」ということだ。
中沢さんのいうことはすごくよくわかる。むしろそれに反論するつもりはない。わりと同意だ。今では考えられないが、AKBのセンターを張っているまゆゆは秋葉原を象徴するような元ひきこもりのアニヲタ/ドルヲタで、ツインテールをトレードマークにしたロリキャラだった。数年前まではその側面を存分に出し、個性を発揮していて、そのキャラクターはそのまんまでんぱ組inc.に受け継がれることになるが、しかしAKBを追いかけてきた人でさえそのことを忘れかけていたのではないか?ぼくがそうであるように。
実際、対抗馬だったさしこが良い例である。今でこそ考えられないだろうが、実はさしこはメディアに出始めた頃はヘタレキャラとしてメンバーからいじられることが定着していた。それこそ内々のイベントである「ホーム」では力を発揮するものの、普通のバラエティ番組のような「アウェイ」では何一つできないポンコツアイドルだったのだ。ぱるるのようなかわいさ、ほっとけない感がない、いわゆる本当の意味でのポンコツ。「さしこのくせに」を見れば分かるが、指原莉乃はAKBに入ってなかったらいったいどういう人生を歩んでいたのだろうか?と真剣に考えさせられるほど何もできないボンクラなのである。しかも総選挙では「かわいくないし、歌もヘタだし」と自らスピーチしている。
それがいまやスキャンダルを乗り越え、いいともの最終回を見届けたレギュラーになり、バラエティでは裏回しとしてひな壇を取りまとめ、あげくHKTでは実質プロデューサーの役目を果たし、各メンバーのMCまで細かくチェックして、これは言っちゃだめ、これは言っていいと指導している始末。今回の総選挙で二位だったさしこはハッキリと「二位で悔しい」と公言したが、これは今までのさしこだったらありえないことである。むしろ去年まではさしこが一位で笑える総選挙とまでいわれており、こういうことを数年前のさしこが言っていたら「お前ごときが調子に乗るな」とファンですら叩いたであろう。そういったことをいわせないオーラがあったように思う。
まゆゆがそうであるように実はさしこのヘタレキャラも忘れ去られているのだ。
そのことを鑑みるとまゆゆも実はぼくらの知ってるまゆゆではなくなっていて、優等生アイドルを演じてはおらず、むしろ自覚しはじめたのではないかなと思う。メディアでどう扱っていいかわからないまゆゆもさしこと同じようにベクトルは違えどアイドルとして成長しているのではないかなと。
それらをふまえたうえで宇野さんの言葉を借りるなら、運営からゴリ推しされていない、純粋なファンの力で一位になったさしこはやはり民意の象徴であり、その民意が勝ってこそのAKB。いままでAKBはこの民意の力で壊して新しいグループにしてきた。故にここでまゆゆ個人が頑張っていたとしても運営にゴリ推しされてるアイドルを改めて応援していいのか?というようなニュアンスがあったと思う。だからぼくはこの宇野さんの意見にはわりと賛成というか、理解できる。
ただ、それでも、ぼくの純粋な感想をいうと、今回はさしこが一位になろうが、まゆゆが一位になろうが、どっちにしろ予定調和感はあったと思う。それはつまり、どっちが一位になろうが、それはそれで「まぁそうなるだろうね」という予測範囲内のことであって、こっちの度肝を抜くようなサプライズは今年は生まれない、むしろ生まれにくいのかなと。
ぼくはAKBに感じるのは民意の力がどうのこうのではなく「サプライズ」だ。サプライズがAKBを象徴するもののひとつと考えるならば、去年のさしこのように「ここからこの人がくる!?」みたいな驚きがあってこその総選挙。だからぼくは支店がそこで一位をかっさらったらおもしろいことになるし、それこそ「らしい」総選挙になるのではないかと思った。
それでも二年前のさしこの順位や票数を考えるといきなりそういうことになるとは考えにくい。だからこそさしこが一位か?まゆゆが一位か?の勝負になり、そこでこの総選挙が論じられるのも当然だなというのもよくわかる。だからこそ宇野さんの意見も中沢さんの意見も聞いたうえで「どっちが一位になっても予定調和だ」とぼくは思うのだ。
【ここからは総選挙総括】
今年の総選挙はオールマン・ブラザーズ・バンドの『ブラザーズ・アンド・シスターズ』のように「あれだけの悲劇があり、さらにメインどころのメンバーが抜けたにも関わらず、出来上がったのは地味ながらまぎれもない名盤」って感じで、サプライズもパンチラインも少なく、全体的にスピーチも長めながら、今までのなかでいちばん楽しめた。前回が『アウトレイジ』だとするならば今回は『アウトレイジ・ビヨンド』といった具合で、派手さはないが見所満載だったように思う。
だーすー、さくらたん、生駒、柴田のランキングも運営の思惑通りにはいかない/させないという古参ヲタの気概と新規ヲタの勢いを感じたし、あとはかおたんが速報からガクっと下がったのも「そう簡単にはいかない」という証明だったように思うし、みるきーの順位は完全にスキャンダルの影響が反映された証拠だろう(おもしろいなと思ったのは同じ釣り師であるだーすーがみるきーの代わりといわんばかりに順位をスコーンと上げてきたこと)。あとはいままで上位にいた人が世代交代といわんばかりにがくーっと順位を落してるのも印象的だった。
ハッキリいうと上位がどうのこうのよりもこういった7位以下の攻防の方がハラハラした。それはそれでAKBらしいともいえるが、これが一般層に届いてないのはちょっともったいないかなぁとも思ったりした。まぁ興味ない人にとってはどうでもいいことだといえるが。
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