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国際
【正論】中韓こそアジアで孤立している 平和安全保障研究所理事長・西原正
習氏は昨年6月にオバマ米大統領と会談した際、「太平洋には米中両大国を受け入れるに十分な空間がある」とし、「新型大国間関係」を構築したいと提案した。これは、太平洋を二分して東太平洋は米国の管轄下に、西太平洋は中国の管轄下に置くことを意味し、さらにこれを実践することが新型大国間関係ということになる。
太平洋の二分化は、まず中国の第1列島線から米国の影響力を排除し、次いで第2列島線から米国の影響力を駆逐することでほぼ実現する。これには在日米軍の撤退ないし無力化が必要で、簡単には実現しないが、中国がこういう戦略をもっていることを、日本は明確に理解しておく必要がある。
東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国は、日米が中国に対するバランサーの役割を果たしてくれることを期待している。彼らは日米同盟は地域の安定に必要な国際公共財であると認識している。
《歴史より未来志向の東南ア》
4月末にワシントンで催されたシンポジウムで、日韓、日中の歴史認識の差が話題になった折、シンガポール政府高官は「われわれ東南アジアの国々はこの種の歴史問題には決着をつけて将来を見て行動している」と断言していた。日本がフィリピンやベトナムに巡視艇の供与を進めても、それを批判するASEAN諸国はない。日本は孤立していないのである。
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