J-WAVE『JAM THE WORLD』の2014年6月20日放送分よりピックアップ。
最近大きな問題となっている都議会の野次問題。今回の『JAM THE WORLD』内のコーナー『CUTTING EDGE』では当事者である塩村議員が電話にて出演されていらっしゃったので、全文書き起こしを掲載します。
塩村文夏都議への「セクハラヤジ」 都議会に抗議が殺到 ネット署名、1日で3万5000件
しゃべるひと
- 塩村あやか議員(東京都議会議員)
- 堀潤さん
(以後、敬称略)
「 驚き」と同時に「怒り」
堀潤:波紋が広がっていますが、かなりいろんな方からの問い合わせや激励のメッセージなど来ているんじゃないですか?
塩村あやか:そうですね、ここまで多くの皆さんに関心を寄せていただいてびっくりすると同時に心強く思っています。
堀:はい、ただ今日になっても野次を飛ばした本人が直接名乗り出ることはないですよね。
塩村:そうなんです。
堀:ぼくは一番それが問題だなと思っていて、周りの議員も含めて笑っていましたよね。なぜ自分自身も含めて問題が大きくなっていることにたいしてきちんと謝れないのか、と。
塩村:驚きですね。
私も議会が終わったあとに、程なくどなたかがいらっしゃって「あれは言いすぎたごめんね」くらいがいいんじゃないかなと思っていたんですよね。なので、私もぼんやりと「このへんの人です」としか言わなかったんですけど、2日くらい経ってもそんな様子はなく、驚きと同時に怒りが出てきている状況です。
堀:もうすでに、議員を改めて特定してきちんと処罰をするようにという要求書を議会の方に提出されているんですよね。
塩村:そうですね、現状特定まではしていませんから、「悪かった」みたいな話もないので議会の方に助けを求めるような形でお願いを出したんですが、それは「無理」ということでした。
堀:「無理」という東京都議会からの理由はなんだったんでしょう?
塩村:これは地方自治法の133条に基づく処分要求書というものを出したんですけど、特定がされていないので手続きを進めることができないというのが、理由だったんですが、そちらには「名前特定してなければ受理できない」ということは書いてませんので、現状このような状況ですから、「助けてください」という趣旨でしたものですから、それが理由ではねられてしまったということは残念ですよね。
はねられたというか、「今日中に補正をして出してください」と言われたのですが、相手の名前がわからないのできないですから…。
堀:たしか、要求書が認められるのが、事案が発生してから3日という期限つきなんですよね。もうすでに時間が経過しつつあるという状況ですから、これは野次を飛ばした本人から直接名乗りでてもらわないことにはなかなか進まないですよね。
塩村:そうですね、全くそのとおりで。ですから、議会の方にお願いしたんですけどね。
ストレートに言うと、「遅れている」
堀:改めて、今回の出来事についてなんですけど、「change.org」という電子署名サイトの方ですでに45000名以上の方が署名をして、議員の特定とある程度の処罰を求めていますが、野次を飛ばした議員個人の資質も問題があるんでしょうが、周りで笑っていた議員、そして実を言うと塩村さんが戦っていくのは、ああいった心ない男社会を奇しくも現しているんじゃないか?と感じているんですけど、どう受け止めていらっしゃいますか?
塩村:私は東京で働く女性として、働きやすい環境、輝ける環境というのを公約として掲げて立候補していましたので、それを実現するためにも、やはり男性議員さんの方が多いですからそういう方々に理解をしてもらわないと進まないんですよね。
なので、まずは男性議員さんに理解してもらわないといけないというところをまさに痛感したところです。それ以前の問題ではあったと思うんですが。
堀:議場全体があの発言でワッと笑い声が起きたんですよね。
塩村:そうですね、もちろん全員ではないんですけどかなり多くの方が「面白いことを言った」みたいな感じで同調してたと思います。
堀:塩村さんは、まさに女性の課題であったりペットの問題であったり、これまでの都議会議員としての活動のなかで現場で当事者のみなさんから聞いたり、ご自身で調査したことを議会の場できちんと提案したいということで臨まれたわけじゃないですか。
それが、本来であればそちらの方をしっかり議事をしていただきたいのに、こんな野次の話で、議会が別の方向に動いてしまう、これも悲しい思いをされてるんじゃないかと思うんですけど、いかがですか?
塩村:そうですね。まぁ、ストレートに言ってしまうと、「遅れているんじゃないか?」と思いましたね。このような野次はいまの時代ではどこの企業でも入社したときからみなさん分かってらっしゃると思うんですね。
それを都議会議員が議場の場でいうということに驚きと悲しみ、いまは少し怒りも出てきています。
堀:普段の議員の生活でも遅れを感じる部分はありましたか?
塩村:やはり、同じことになってくるんですけどいくら何かを伝えようとしても聞く耳を持たない方も多いなと感じましたね。
堀:うーん。今日は舛添知事が定例会見に臨んで記者からも質問が相次いでいました。
そのなかで、知事も「あれはなぜ笑っていたのか?」という質問に対して、「野次が聞こえなかった。周りにつられて笑った。ああいった野次に関しては断じて許してはいけない」とのことだったんですけど、もう一点国会の議場と違うのは、問題発言があったときにきちんと議長と話をして、問題があったのかどうか、文言を削除するかどうか、といった手続きが取れるんですね。
だから、都議会の場合はそういった手続きが取れているのかどうか?というところに問題があるんじゃないかという話もされていたんですけど。
塩村:私は初めて質問に立って、野次にしては基本的には「動じないで」という風に聞いていたんですが、止めていいという知識もなかったんですね。
だから、何があってもやり切るという形で臨んでましたので、止めていいかどうかはわからなかったんですが、後から先輩議員さんから、「言われたのは、議事録に残してあげればよかったね」という風にはおっしゃってもらいました。
堀:なるほど。
塩村:議事録上は何も無かったかのように進んでいるので、そこで残すことによって私たちはあなたを助けてあげられたかもしれない、という風には言われました。
都議会の現状を知ってもらい、改善したい
堀:今回、この問題を受けて塩村さんとしては問題の本質はどこにあるとお考えですか?
塩村:2点あると思ってまして、1点目は議場で野次を飛ばす文化が許されているところ、もう1点は発言に関しては考えがそのまま出てしまったんだろうと思うんですね。どこかそういう思いがあると思うので、そういう言葉が出てくると思うんですね。
待機児童問題とか、育児や出産などの女性のサポートとかを質問していたので、「どういうことだろう?本当にやる気があるのかな?」と思いました。そこは問題ではないだろうと。
堀:塩村さんの今回の問題を受けて、企業、地域社会、グループであったり各現場で同じように悔しい思いを抱えているということも、声が上がっていますがそうした状況を改善していくためにはまずなにをやっていくべきだと思われていますか?
塩村:まずは、都議会の現状を知ってもらって変えていくというところをしないと何にも説得力を持たないんだろうな、と思います。まず、自分で取り組めるところは都議会がこういう状況なので、野次に関してだったり、女性を蔑視するような発言をしないように、というところを徹底していかなければならないなと思います。
その後に、今回は1つ大きな体験をしたと思っていますので、自分の政策で訴えていくなどしていきたいと思います。
堀:同僚にもなられるおときた駿議員のブログなども読んでいると、一方で男社会のダメさが分かるというか、「仕方ないじゃないか」みたいな心ない意見も寄せられているようで。
塩村:そうですか…。私の中にはそういった意見はなくて、逆に男性の方が謝らせてくださいというような意見が何件もありましたので、結構それはレアケースじゃないかな?と思います。
堀:なるほど、今回の問題を機に多くの方を巻き込んでいって改善に向かわせていく必要があると思いますが。
塩村:そうですね、本当に「こんなに遅れているんだ」ということを身をもって実感しましたし、私はいままで働いてきてこのような体験をしたことがなかったので、ちょっとまだ甘かったのかな?と思いますけど、立場のある方がこのような発言をするということは普通の企業を見てもまだまだあるのかな?と思いましたね。
堀:あとは、東京都議会自体の自浄作用を求める声も大きいですが、この辺はいかがですか?
塩村:まさに、まずそこが一番だと思っています。
そういった意味で今日出してみたんですけどね。ただ、いまのところ手応えがなくて本当に残念です。これだけのみなさんが都庁や都議会の方に色んな意見を寄せてくださっているようですが、それでも具体的な話はなくて、来週あたりに動きがあるのかもしれませんが、都議会から出来事を活かして改善していかないといけないと思います。
堀:塩村さん、どうもありがとうございました。
都議会に、自浄能力はない?「侮辱に対する処置」要求は、不受理(差し戻し)となりました | みんなの党 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト
change.org :自民党東京都連: 私たちは、都議会本会議内で女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し厳正に処分するよう、自民党東京都連に対して強く求めます。
【フォローをするとラジおこしの更新情報を受け取れます!】