[PR]

 安倍政権は20日、1993年に宮沢内閣の河野洋平官房長官が公表した慰安婦問題に関する「河野談話」の検証結果をまとめた。加藤勝信官房副長官が同日、衆院予算委員会理事会に内容を報告した。河野談話の作成や韓国における「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」事業をめぐり、日韓両政府が頻繁にやりとりしていたことなどが明らかにされた。

 報告書では、河野談話の文言をどうするかをめぐり、「日本側は、事実関係を歪(ゆが)めることのない範囲で、韓国政府側と調整した」と記述。主要な論点は①慰安所の設置に関する軍の関与②慰安婦募集の際の軍の関与③慰安婦募集に際しての「強制性」――の3点であったとした。

 また、談話の根拠となったとされてきた元慰安婦16人の証言について、報告書は「事実究明よりも、真摯(しんし)な姿勢を示すことにその意図があったこともあり、事後の裏付け調査は行われなかった」と結論づけた。「聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた」ことも明らかにしている。

 アジア女性基金については、韓国では元慰安婦の61人に一人あたり「償い金」200万円、医療・福祉支援事業300万円、当時の首相の「お詫びの手紙」を渡したことを公表した。