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 河野談話の今回の検証には二つの焦点があった。1993年8月に発表された河野談話作成過程での韓国政府との「すり合わせ」と、談話発表直前に日本政府が韓国人元慰安婦16人から聞いた証言の扱いだ。2点とも河野談話の正当性を損なわないという結論となった。

 このうち「すり合わせ」について産経新聞は今年1月1日、今回公表されたものと同様の内容を報じた上で「韓国の指摘に沿って談話を修正していた。談話の欺瞞(ぎまん)性を露呈した」と報道。2月20日の衆院予算委員会に石原信雄氏が出席することにつながった。

 検証結果によると、談話の文言をめぐって日韓間で「やりとり」は複数回あった。韓国側は原案にあった「心からおわび申し上げる」について「反省の気持ち」を追加するよう要求し、日本は応じた。一方、慰安婦の募集について韓国側が「軍または軍の指示を受けた業者」が当たったとの文言を提案したが、日本側は募集は軍ではなく軍の意向を受けた業者が主として行ったとの理由で拒否。「軍の意思で組織的に有形力の行使が行われる強制連行」(但木座長)について、朝鮮半島で確認できる証拠がなかったためだ。