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〈いわゆる「河野談話」検証結果の公表を受けて〉

 今回、検証チームの皆さんが短期間の中で精力的に作業に当たられたことに対し、敬意を表したいと思います。

 今から21年前、私が宮沢内閣の官房長官として、宮沢総理をはじめ関係部局と相談しながら、国内外の多くの資料、旧軍人や慰安所経営者など幅広い関係者の証言、そして元慰安婦の方々の聞き取り調査などをもとに作成したものが、いわゆる「河野談話」であり、当時、私自身、日韓関係の大きな問題を乗り越えるために懸命の努力をし、その結果が「河野談話」だと思っています。

 すでに安倍総理ご自身が「河野談話の見直しは行わない」と発言されており、私としては今回の検証チームの報告が出たことで、新たに付け加えることもなければ、差し引くこともないと考えております。

 私は、当時いわゆる慰安婦と呼ばれた人たちが総じて自らの意思に反して働かされたということに対して申し訳ないという日本人の気持ちが、今も変わってはいないと思っています。

 日韓関係の厳しい環境が続く中、私としては日韓双方の指導者の大局的な判断により、一日も早く両国の関係改善がなされることを切に願っております。

 平成26年6月20日

        河野洋平