塩村都議、セクハラやじで処分要求

　東京都議会の一般質問中にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題で、質問者だった塩村文夏都議（３５）は２０日、地方自治法に基づき、発言者を特定し処分するよう議長宛てに処分要求書を提出した。受理はされず、都議側は発言者を特定するため声紋分析の実施も検討している。ネットにも波紋は広がり、都議会に批判的な書き込みが相次いだ。

　提出された要求書について、議長側は発言者が記載されていないとして、受理せず、塩村都議が発言者を確認した上で同日中に再提出するよう求めた。都議会の会議規則で、懲罰事犯があった日から３日以内に提出しなければならず、都議が所属するみんなの党の会派、両角穣幹事長は「本日中に発言者の氏名を特定するのは現実的に無理だ」と述べた。今後、声紋分析の実施も検討している。

　一方、答弁者だった舛添要一知事は２０日の定例記者会見で、やじが飛んだ際の自身の対応を問われ「みんなが笑ったので私もつられて笑みを浮かべた。答弁に集中していて何があったか分からなかった」と説明した。

　ネットでも波紋は広がった。塩村都議のツイッターのつぶやきに「都議会、レベル低い」「企業内でこんな事を言ったら懲戒処分」などのコメントが相次いだ。都教育委員で作家の乙武洋匡さんもツイッターで「都議会は『誰が言ったかわからない』と、うやむやにするつもりなのか」と苦言を呈した。

　都議会には千件を超える意見が寄せられた。議会局によると、「女性に対して失礼な発言ではないか」「やじとしては言い過ぎではないか」などと大半は批判的だった。

　１８日の本会議では、妊娠や出産に関する支援政策を尋ねた塩村都議に、複数の男性の声で「早く結婚しろ」「産めないのか」といったやじがぶつけられた。