都議会:セクハラヤジ 広がる波紋 女性議員「私も被害」

毎日新聞 2014年06月20日 21時02分(最終更新 06月21日 01時01分)

自民党の野田聖子総務会長=2014年3月、徳野仁子撮影
自民党の野田聖子総務会長=2014年3月、徳野仁子撮影

 東京都議会での女性蔑視のヤジは20日、東京・永田町や他の自治体にも波紋を広げた。

 自民党の野田聖子総務会長は同日の記者会見で、「とても不愉快だ。成長戦略の一丁目一番地は女性の活躍だ。仮に自民党議員のヤジであれば、安倍晋三首相の成長戦略を否定しかねない発言だ」と痛烈に批判した。

 野田氏は「女性が活躍でき、子供を産み育てられる国をつくらなければこの国はダメになると、これだけ首相が言っているのをきちんと聞いていなかったということだ」とも指摘。自身も不妊治療を経て卵子提供で長男を出産した経験を持つだけに、「私もこういうことと闘ってきた。(ヤジは)本音だろうが、それはもう通用しない時代になったと肝に銘じてほしい」と猛省を促した。

 一方、千葉県我孫子市議会(定数24)の女性市議、水野友貴さん(31)は19日深夜、自分が受けた不快な発言を「政治家のモラルハザード」としてツイッターに投稿したところ、20日夕までに約3000件のリツイートがあった。

 水野さんは昨年6月の議会で質問を終えた直後、年上の女性議員から周囲に聞こえるような声で言われた。「生理なの? 下着のラインが見えているよ」。近くには男性議員もいて、その場で謝罪させた。

 無所属の独身の1年生議員への風当たりは強く、「早く結婚しろ、なんてうちの議会では普通です」と嘆く。地方議員について、水野さんは「高い倫理観が求められるのに、現実には民間を経験せず、世襲も多く、正直レベルは低い」と指摘。「ヤジどころか、寝ている議員もいる。市民の血税で活動しているという認識に欠けている」と話す。【宮島寛、橋本利昭】

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