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 パソコン(PC)遠隔操作事件で、威力業務妨害などの罪に問われた元IT会社員・片山祐輔被告(32)の公判が20日、東京地裁であった。PCを遠隔操作されて誤認逮捕された三重県の男性が証人として出廷。「当時を思い出すと今でもつらい。なぜ第三者をおとしいれるようなことをしたのか」と片山被告に問いかけた。

 一連の事件では4人が誤認逮捕された。この男性は一貫して容疑を否認し、その後釈放された。片山被告は自作自演の「真犯人メール」を送った理由を「家族を安心させるため」と説明したとされるが、男性はこのことに触れ「被害者にも同じように家族がいることを認識してほしい」と訴えた。

 尋問の後に被告人質問があり、片山被告は「多くの人に迷惑をかけ、人として明らかに正しくないと理解できた」とうなだれた。その一方で「真犯人メールさえばれなければ無罪になったのでは、との思いは捨てきれない」とも語った。

 弁護側は18日に片山被告の精神鑑定を地裁に請求。検察側は「必要ない」との意見を述べた。弁護団によると、今後、地裁、検察、弁護側の三者で精神鑑定の実施について話し合うという。