ソフトバンク株主「1番だけでは謙虚でない」
孫社長はナンバーワンの"使い分け"を明言
「龍馬の生涯は33年、ソフトバンクも創業33年」。孫正義社長はプレゼンテーションの冒頭で、心酔する坂本龍馬を引き合いに出した。昨年度の営業利益がNTTドコモを抜いて1兆円を突破したことなどを報告し、「34年目以降のソフトバンクは情報革命で世界を変えていく」と宣言した。
6月20日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開かれた、ソフトバンクの株主総会。会場には過去最高だった昨年を上回る株主3847人、一般客1267人が訪れた(昨年はそれぞれ2871人、1106人)。剰余金の処分、取締役3名選任などの議案はすべて承認された。所要時間は2時間07分だった。
永守氏を社外取締役に選任
今回、ポイントになったのは取締役の選任。中でも大きな話題となったのが、日本電産の永守重信社長を社外取締役に迎えるというものだ。
孫社長は、永守氏を取締役に迎えた理由について「とにかくすばらしい方。柳井(正ファーストリテイリング会長兼CEO。ソフトバンクの社外取締役)さんとともに、日本で最も尊敬している経営者。永守さんに『あんたもほら吹きやな!わしもや!』と言われて、柳井さんと含めて3兄弟なんて言っていた。それから仲良くさせていただいている。役員会はどうなってしまうんだろうか(笑)」などと説明した。
そのほかに取締役に選任されたのは、安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)出身で、2000年から財務部長として長年、ソフトバンクのM&A戦略を支えてきた後藤芳光氏。福岡ソフトバンクホークスのオーナー代表代行も務めている。加えて、常務執行役員で経営企画部長、ソフトバンクモバイルCFOなどを務める藤原和彦氏。マツダ出身で、携帯業界で初めて割賦での販売を導入した人物だ。米国スプリントの事業戦略にもかかわっている。
米国事業については、米国の通信料金の高さや通信速度の遅さなどを指摘し、価格競争とネットワーク競争を仕掛けていくと説明。昨年買収したスプリントとは営業や技術のノウハウ共有などを進めており、「1年や2年ではなく5年、10年とかかる仕事だと思う」などと話した。
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