台湾、厳重抗議 故宮日本展一部ポスターの「国立」不使用で

【政治】 2014/06/20 19:21

(台北 20日 中央社)国立故宮博物院(台北市)の日本展に関する一部宣伝ポスターで同院の名称に「国立」の2文字が使用されていないことについて、総統府の馬イ国報道官は20日、馬英九総統はすでに日本側との厳正な交渉を行政院に指示し、前向きな対応が見られない場合は周美青総統夫人の開幕式出席を含むすべての関連行事を中止すると述べた。(イ=王へんに韋)

外交部も「国立故宮博物院」は正式かつ唯一の名称だとして、日本側にこの名称の使用を促すよう台北駐日経済文化代表処(大使館相当)に指示したと明らかにした。

今回の特別展開催は中国大陸による美術品の差し押さえを防ぐ「海外美術品等公開促進法」の制定や、「国立」と明記することが前提条件だったが、主催する東京国立博物館を除くその他の関係者が作成したポスターには「国立」の文言が使われていない。

故宮側はこれを受け、日本時間6月21日夜12時までに「国立故宮博物院」と明記されていないポスターの全面撤去を書面で約束することを日本側に求めた。期限内の撤去が無理な地域については、遅くとも同28日夜12時までの関連作業の終了を要請している。

24日の展示開始に先立って、東博では20日午後2時(日本時間)に「翠玉白菜」の開封式典を予定していたが、中止された。21日深夜までのポスター取り替えの状況次第で式典の開催が検討される。

故宮の国宝はこれまでアメリカ、フランス、ドイツなどで展示されたが、いずれも正式名称が使用されてきた。今回の日本出展はアジアで初めてで、6月24日から9月15日までは東博、10月7日から11月30日までは九州国立博物館でそれぞれ行われる予定。

(劉麗栄、唐佩君、鄭景ブン/編集:荘麗玲)

※中央社フォーカス台湾に掲載の記事・写真・イラストの無断転載・利用を禁じます