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河野談話「韓国と文言調整」 政府が検証結果報告

TBS系(JNN) 6月20日(金)18時37分配信

 従軍慰安婦について日本側の責任を認め、謝罪した1993年のいわゆる「河野談話」について、政府は談話の作成過程の検証を終え、国会に報告しました。日韓両政府が文言を水面下で調整して談話を作成した経緯を明らかにしています。

 「河野談話を見直さない、これを継承するという政府の立場は、何ら変わりはありません」(菅義偉官房長官)

 今回公表された河野談話作成の経緯によると、作成前の事務方レベルのやり取りで、日本側から「韓国政府からネガティブな反応は避けたい」として、「強制性等の認識については韓国側とやり取りしたい」と述べたのに対し、韓国側からも「種々協力したく、発表文の内容は知らせてほしい」という要望がありました。

 慰安婦募集に際しての「強制性」についての文言調整が最大のポイントで、韓国側は“軍、または軍の「指示」を受けた業者が行った”という表現を求めたのに対し、日本側は受け入れず、最終的に「要請」という表現で決着しました。また、韓国側は、一部の慰安婦は自発的に慰安婦になったという印象を与えることはできないなどと発言。「総じて、本人たちの意思に反して」という文言で最終調整されました。こうした交渉過程の案文は、日本側は宮沢総理、韓国側は金泳三大統領まで了解をとっていて、日本政府としては、いわゆる強制連行は確認できないという認識に立ち、韓国政府の要望についても、受け入れられないものは拒否する姿勢で調整に臨んだとしています。

 さらに、報告書は、当時の韓国政府は日本に金銭的な補償を求めなかったこと、日本が償いの気持ちで民間の基金を立ち上げた経緯を記したうえで、償い金や歴代総理の署名入りのお詫びの手紙を受け取った韓国の元慰安婦の数は、61人であることを明らかにしています。

 「検証の結果は、それなりに公平公正に淡々と、こういう経緯で河野談話が生まれ、アジア基金が生まれたんだと」(「河野談話」検証チーム 但木敬一座長)

 今回の検証は、当時、談話の作成に関わった石原信雄元官房副長官が、今年2月、衆議院の予算委員会で、作成過程で韓国との間で文言のすり合わせがあった可能性を指摘したことを受け、菅官房長官の指示の下、5人の有識者が検証作業を進めてきました。(20日19:33)

最終更新:6月20日(金)21時51分

TBS News i

 

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