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政府、河野談話の検証結果報告 韓国の要求で文言修正・追加も

フジテレビ系(FNN) 6月20日(金)19時0分配信

政府は20日、いわゆる慰安婦問題をめぐる河野談話の検証結果を国会に報告した。焦点の1つとされた、日韓双方の事前のすり合わせについては、「緊密に議論を行った」とされている。
戦時中のいわゆる従軍慰安婦をめぐり、旧日本軍の関与を認めた河野談話は、どのように作成されたのか。
20日午後、有識者による検証結果が国会に報告された。
菅官房長官は「客観的な事実を検証していただいて、この報告書については、韓国にも詳細に説明していく」と述べた。
検証結果では、「いわゆる強制連行は確認できないというものだった。聞き取り調査終了前に、すでに談話の原案が作られていた」と報告された。
1993年に出された、いわゆる「河野談話」。
1993年8月、河野官房長官(当時)は「従軍慰安婦として、数多くの苦痛を経験され、心身にわたり、癒やしがたい傷を負われた全ての方に対し、心から、おわびと反省の気持ちを申し上げる」と述べた。
韓国の元慰安婦への聞き取り調査などを基に、当時の河野官房長官の名で出されたこの談話では、慰安婦の募集については、「軍の要請を受けた業者が主としてあたり、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くある」としていた。
しかし、およそ20年が経過し、その信ぴょう性があらためて問われる事態になっている。
石原信雄元官房副長官は2月、衆院予算委で「アメリカの図書館まで行って調べたが、女性たちを強制的に集めるというようなことを裏付ける客観的なデータは見つからなかった」と述べた。
河野談話が出された当時の官房副長官が、2014年2月の国会で、慰安婦による証言の裏づけはなかったと発言。
こうした中、20日に公表された検証結果は、「(文言について)韓国側との間で、緊密に議論を行った」などと、談話の内容については事前に日韓ですり合わせがあったとした。
そして、慰安婦がどう集められたかの表現については、日本側が「軍当局の意向」としたのに対し、韓国側が「軍の指示」とするよう要求。
結果、軍の要請に決着したのだという。
さらに、検証結果では、「反省の気持ち」という表現も、韓国側の要望で追加したとしている。
これまで河野談話の問題点を国会で追及してきた日本維新の会の山田 宏議員は、「全部を読んでいるわけではないが、さっと見た感じでは、政府も、短い期間で資料を基に、この河野談話がどのように策定されたのかということを、資料に基づいてまとめられたという意味では評価している」と述べた。
一方、韓国のチョ・テヨン第1次官間は18日、「河野談話を毀損(きそん)するならば、国内的、国際的に、全てのわれわれの立場と論理、資料を示し、そのような毀損が成り立たないようにする」と述べた。
日本政府は、今回の検証結果にかかわらず、河野談話を見直すことはしないとしている。

今回の検証内容では、この河野談話発表の前日に、韓国側から日本側に伝えられた内容として、「金泳三(キム・ヨンサム)大統領が、この案文を評価しており、韓国政府としては、この案文で結構である」との連絡を受け、最終的に意見の一致を見たと明かしている。

最終更新:6月20日(金)19時0分

Fuji News Network

 

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