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» 2014年06月20日 14時43分 UPDATE

“iWatch”間もなく量産開始 Appleはウェアラブルに変革を起こせるか

iWatchと呼ばれるAppleのスマートウォッチは7月に量産がスタート。Appleの投入で、ウェアラブル市場に大きな変革が起きると期待する向きは多い。(ロイター)

[台北 20日  ロイター]
REUTERS

 台湾Quanta Computerが米Appleの初のスマートウォッチの量産を7月に開始すると、この件に詳しい筋が語った。Appleは競合する韓国Samsung Electronicsに対抗し、まだ革新的な企業であることを証明しようとしている。

 Appleは、Appleウォッチャーが「iWatch」と呼ぶ同社のスマートウォッチで、いまだ評価が定まらないニッチなウェアラブル市場に初参入する。ウェアラブルが停滞するモバイル製品市場に収益をもたらすかどうかは不明だ。

 iWatchの製造はQuantaに活力を与えるだろう。同社はこれまでAppleのノートPCやiPodを製造してきたが、これらの製造は減りつつある。QuantaがiWatchを製造するとなると、Appleの最大のサプライヤーである台湾の鴻海グループ(Foxconn)がこの新製品にどうかかわるのかという疑問が浮上する。

 iWatchについては多くが予想しているが、量産の開始時期とQuantaが製造にかかわることはこれまで知られていなかった。情報筋によると、量産は7月に始まり、発売は早ければ10月になるという。

 iWatchのディスプレイは2.5インチで四角く、文字盤部分は曲線を描いてバンドから少し浮いているという。また、タッチ対応で、無線充電機能を搭載するという。

 情報筋はこうした見積もりは変わる可能性もあるとしつつ、Appleは同端末を年内に5000万個出荷する見込みだと語った。Quantaは現在、iWatchをテスト製造中という。Quantaは同端末の主力製造業者として、少なくとも最終組み立ての70%を請け負うと情報筋は語った。

 iWatchは他のスマートウォッチと同様に単独で使える機能を持つが、メッセージングや音声チャット機能を利用するにはスマートフォンとのペアリングが必要になるという。

 ほとんどのスマートウォッチは、メールチェックや電話をかけるといった操作に加えて、ユーザーの心拍数などの生体データを収集する機能を搭載する。

 別の情報筋によると、iWatchの最初の製造分のディスプレイは韓国LG Displayが独占的に供給するという。iWatchには脈拍測定センサーも搭載され、このセンサーはシンガポールHeptagonが供給するという。

 Appleはコメントを拒否した。Quanta、LG Display、Heptagonもコメントを拒否した。

iWatchは変革をもたらすか

 Appleは腕時計型端末で、Samsung、ソニー、Motorola、LG Electronicsに続くことになる。これらのメーカーが発売した端末については、あまり魅力がなく、一般に受け入れられるには使い勝手が十分にこなれていないとの評価が一般的だ。

 だが市場は急拡大しており、米調査会社のIDCによると、世界におけるスマートウォッチを含むウェアラブル端末の出荷規模は2013年の3倍になる見込みという。

 Appleはウェアラブル参入のヒントを既に示している。同社は仏大手ファッションコングロマリットKering傘下のYves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)の前CEO、ポール・ドヌーブ氏を“特別プロジェクト”のために採用し、2014年に“新しい製品カテゴリー”を紹介すると明言した

 Appleの、いわゆるスマートウェアラブル市場への参入が、同社が2007年にiPhoneで携帯電話市場にもたらしたような大変革を起こすことを期待する向きは多い。

 消費者向けテクノロジー業界のドル箱であるスマートフォンの売り上げは、数年後には市場が飽和することで失速するとみられている。

 IDCは、2014年の世界のスマートフォンの売上高は2013年の前年比39%増から大きく減速し、前年比23%増になると予測する。2013年〜2018年の平均前年比伸び率はわずか12%になるという。

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