【ソウル=小倉健太郎】韓国海軍は20日午前、島根県竹島(韓国名・独島)沖の日本領海を含む海域での射撃訓練を始めた。事前通報を受けた日本は中止を要請したが、韓国側は「訓練は韓国固有の領土である独島周辺海域で実施されるものだ」として実施する考えを示していた。日本政府による河野談話の検証結果発表を前に、日韓の新たな火種になりそうだ。
訓練海域は竹島南西沖の東西約150キロ、南北約55キロの長方形。このうち北東端の一部(南北約6キロ、東西約3キロ)が日本領海と重複しているという。韓国国防省関係者は「2012年にも同じ海域で訓練をしたがその際は日本から抗議や中止要請はなかった」と説明している。同省広報担当官は20日の記者会見で「訓練は計画通り進行している」と話した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領が新首相に指名した文昌克(ムン・チャングク)氏は同日、韓国の記者団に対し「日本がなぜ文句をつけるのか理解ができない」と話した。聯合ニュースが報じた。
海上保安庁は18日に航行警報を出し、訓練海域付近を通る船舶に注意を促している。日本領海を含む海域で他国が射撃訓練を行うとして航行警報を出すのは異例だ。
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