梅雨がない北海道:札幌の連続降雨15日ついに6月新記録
毎日新聞 2014年06月20日 01時26分(最終更新 06月20日 01時29分)
「梅雨がない」といわれる北海道で、まるで梅雨のような長雨が続く。道内は20日未明も、停滞する低気圧の影響で各地で降雨が観測された。札幌管区気象台によると、これで札幌の連続降雨は15日となり、1876年の観測開始以来、6月としては過去最長だった1956年の14日を58年ぶりに抜き記録を更新した。長雨と日照不足による農作物への影響が心配される。
同気象台によると、札幌では19日午前6時過ぎから同7時50分まで降雨を観測。20日午前0時を過ぎても霧雨が観測された。連続降雨は室蘭で過去最長の17日、帯広と函館で15日となった。
平年は低気圧と高気圧が交互に通過して天候が変化する。しかし今年は偏西風の勢力が弱いため、上空に寒気が入り込み、道内全体が気圧の谷の中にずっとあるため、ぐずついた天気が続いている。長雨は梅雨前線の影響ではないという。
今月6日の降り始めから19日までの道内各地の降水量は▽札幌99ミリ(平年21.3ミリ)▽室蘭169.5ミリ(同49.2ミリ)▽函館101.5ミリ(同35.1ミリ)−−となっている。
連日、厚い雲に覆われていることから日照時間も少ない。同気象台によると、6〜19日の日照時間は札幌で平年の15%にとどまる13.3時間、室蘭で同15%の11.7時間、帯広で同14%の10.1時間などとなっている。
道東の芽室町で小麦などを生産する農家の吉田知浩さん(43)は「日照不足は小麦の収量や小豆の出来に影響してくる」と案じる。札幌市東区で4代続くタマネギ農家の佐々木幸順さん(66)は「長雨で畑に出られない日が続いている。病気になりやすく、雑草も伸びるのに作業が遅れている。今年はエルニーニョ現象で冷夏になることも予想されており、この先も低温や長雨が心配」と話す。
同気象台によると、日差しが戻るのは21日以降になりそう。【三沢邦彦、袴田貴行】