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2014.06.20

困ったちゃんの壁

 昨日のエントリーを書いた後、ぼんやりと、図書館に来る困った人のことを思っていた。
 これから暑くなる日々、図書館に行くと、涼を求める行儀の悪い老人をたくさん見るようになるので、いつからかそういうところには近づかなくなった。(もちろん、老人の熱中症対策として図書館が利用されることには賛成ですよ。)
 「行儀が悪い」というのは主観かもしれないけど、ソファー席を二つぶんどって裸足で半あぐらかいている中高年男性というのとか、ちょっと見るに耐えないというか、見るとこちらの精神にダメージが大きい。
 図書館のテーブルのあるところにバーっと新聞広げて見ている老人もよくいる。目が悪いのかもしれないなとは思う。が、その横にカバンのようなものをどかんと置いている人もいる。あれはさすがに人迷惑だと主観的に思うが、私はもう特に何も言わない。
 目の前で、図書館所蔵の本をびりびりと破いている人がいても、もう特に何も言わないかもしれない。
 そういえば、公共の席にカバンとか置いて、席取りしている人がいるのを見ても、いつからか何もしなくなった。
 いや、カバンとかだと泥棒に誤解されるのは嫌だから、以前も何もしなかったなと思い出す。
 でも以前は、ハンカチとか置いてあると、さりげなくどけて座ったりしたものだった。特に、どう考えてるわけでもない。
 すると、少なからぬ確率で、「そこ私が席取っていたんです」と苦情を言われる。怒られることもある。「はあ」と言って、私は、どく。請坐。Asseyez-vous. いやいや、そのころは中国語もフランス語も話せなかったな。
 それ以前は、「そういう権利はあなたにはないと思いますが」と言って相手を激怒させたこともあった。たびたび。
 いつからかそういうことはしない。
 こういうとなんだが、世の中の困ったちゃんには十分に関わる気がしない。
 だが……、もう一つ思うのだ、困ったちゃんは、たぶん、そういう私なんだろうな。m9(^Д^)プギャー
 きちんと考えると、公共的な席にハンカチ置いて、そこが権利の主張になるわけないのだが、それを暗黙の社会ルールだと思っている人にとっては、私はとても困った人なのだろう。
 ぎゅうぎゅうの満員電車ではほとんどないが、それなりに席がうまっている電車のなかでも、ぽつんと開いている席がある。ハンカチ発見。そこにハンカチとか置いてあると、誰も座らない。奇妙な暗黙の社会ルールだなあと思う。
 でも、私もそれがどうやらルールなんだから、守ってもいいかと思ようになった。あまり困った人に見られたくないとも思う。
 もうちょっと自分の思いを見つめてみると、でも、ちょっと違う。
 そういえば、ツイッターで言われたことがあるだが、私は日本社会に順応しすぎている、と。そうかもしれない。
 ちょっと違うかなとはも思っていたが、そういう違いは、言っても通じないので黙っていた。
 でも、どう違うのかというのをこの機に言ってみると、私を困ったちゃんと思っている人たちに、私はできるだけ関わりたくないなという心理かもしれない。
 悪く言うと、おバカな社会ルールに従っている人がいても、自分に特段に利害に関わるわけでもないなら、あまり関わりたくない、と。図書館のソファー席であぐら組んでるおっさんの裸の足は見たくないな、と。
 それでいいのだろうか、自分?
 言論とかいう以外でも、こういう公共性について、その場で何か市民として言うべきではないのか?
 よくわからない。
 ネットだとたまに、電車の中のベビーカーをどうする論争が起きる。迷惑だと思う人と、そういうふうに迷惑だという人が問題だという人で、それぞれ相手を困った人だと思っている。
 これ、お金があると解決できるのですよね。タクシー乗るとか。
 図書館の不作法な老人というのも、図書館に行かなければ見ないわけだし、本が読みたければ借りるんじゃなくて買えばいいわけだし。もっとも、図書館は無料貸本屋ではないんだけど。
 各種の公共の問題、経済学で「共有地の悲劇」というのは、プレミアムマネーで解決する。ということは、公共の問題ではなく、自分の問題として考えると、プレミアムマネーの換算ということなんだよな。

cover
バカの壁
(新潮新書)
 ブログなんかでも、無料で書いていると、わけのわからない罵倒を貰うことが多いんだが、これも一種の「共有地の悲劇」みたいなもんで、読んでもらいたい人のためには、ちょこっと有料化するというもありなんだろう。あるいはコメントを有料にしてよいコメントだったら、逆にお金を払うというのがよいんだろうな。
 話がなんか逸れてきたので、おしまい。
 
 

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