Updated: Tokyo  2014/06/20 10:47  |  New York  2014/06/19 21:47  |  London  2014/06/20 02:47
 

米国債:下落、30年債が3カ月ぶり大幅安-TIPS入札不調

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  6月19日(ブルームバーグ):米国債市場では30年債相場が3カ月ぶりの大幅安。30年物インフレ連動国債(TIPS)入札で落札利回りが予想を上回ったため、売りが膨らんだ。

5年債は1週間ぶりの高値から下げた。連邦公開市場委員会(FOMC)が経済成長見通しを下方修正したことを受けた上昇は行き過ぎとの見方から、売りが出た。30年物TIPS(発行額70億ドル、銘柄統合)の結果によると、最高落札利回り は1.116%だった。入札直前の市場予想は1.093%。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「インフレ懸念が一段と強まっていることは明白だが、金融当局はあまり留意していないようだ。最近はインフレを示す指標が発表されているものの、金融当局は前日、金利を低水準にとどめる意向を示した。それは恐らく予想されている以上に長引くだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回り は前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.47%。一時は9bp上昇した。同年債(表面利率3.375%、2044年5月償還)価格は1 7/32下落の98 10/32。

5年債利回りはほぼ変わらずの1.68%。一時は1.71%まで上昇したが、12日以来の低水準となる1.64%まで低下する場面もあった。10年債利回り は3bp上昇の2.62%。

TIPS入札

30年物TIPS入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.76倍。過去10回の平均は2.66倍だった。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札比率は59.7%だった。過去10回の平均は46.3%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の比率は8.2%。過去10回の平均は15%。

プライマリーディーラーの落札比率は32.1%と、2013年2月以来で最小だった。

5月の米景気先行指数が4カ月連続の上昇となり、新規失業保険申請件数が前週比で減少したものの、買いが先行する場面もあった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「米金融政策を材料に上げた海外市場の取引時間帯までの反動から、長期債主導で下げている」と述べた。

欧州債は上昇

ユーロ圏諸国の国債は総じて上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)は前日、債券購入額を100億ドル縮小する一方、長期的に到達すると見込まれる緩和でも引き締めでもない政策金利の中立水準を下方修正した。これを背景に世界の金利は低位に長期間とどまるとの見方が強まった。

豪10年債利回りは今月の最低を付け、スペイン10年債利回りは2週間ぶりの大幅低下となった。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は「主な中央銀行は引き続き金利抑制にコミットするだろう。ユーロ圏周辺国や先進国の国債の動きは、最近のインフレ動向に対するイエレン議長の興味深い見解に起因している。議長は程度の差はあれノイズだとみなしており、最近の物価の大幅な上昇に注意を払わなかった。それは適切な判断になる可能性が高い」と語った。

原題:Treasuries Drop After Sale of 30-Year Inflation-ProtectedDebt(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Daniel Kruger dkruger1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.netKenneth Pringle, Greg Storey

更新日時: 2014/06/20 06:43 JST

 
 
 
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