館内を見学する情報交換会の参加者=松阪市川井町の松阪図書館で
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松阪市が進める市立図書館改革で、電子書籍の貸し出しを計画していることが分かった。タブレット端末や自宅のパソコンから電子書籍を借りられるサービスで、実現すれば、県内の公立図書館では志摩市立図書館に次いで二例目となる。市教委の担当者は「国民が一人一台タブレット端末を持つ時代がやがて来る。情報通信技術(ICT)環境を整備し利便性を飛躍的に向上させたい」と狙いを話す。
十八日に川井町の松阪図書館であった市民との情報交換会で市教委が計画を説明した。
サービスは、市が電子書籍の販売業者から購入した書籍データを、利用者のタブレット端末やパソコンに貸し出す仕組み。図書館を訪れなくても、自宅からインターネットを通じて借りられる。貸し出した書籍のデータは、貸出期間を過ぎると自動的に消える仕組みという。日本図書館協会によると現在、全国で約二十の公立図書館が電子書籍を貸し出している。
このほか、新聞記事や郷土資料、論文のデータベースを充実させ「知の玄関口」としての機能を強化させる。本の自動貸出機を導入し、他人に知られたくない病気や悩みの本を借りやすくする。蔵書数や開架面積、閲覧スペースの充実を図るとともに松阪図書館には借りた本を読めるカフェを設ける計画だ。
十八日は、市教委の担当者が館内を案内しながら参加者に計画を説明。その後の意見交換会では、参加者から「館内のバリアフリーも進めて」「壁をガラス張りにして開放感を演出してほしい」などといった意見も出た。
市はより親しみやすい図書館の実現を目指し、松阪図書館と嬉野図書館の改革を計画している。最終的な改革案は、市の計画を基に二〇一五年度に公募して決める予定。松阪図書館は一六年春に設計、夏にも改修を始め、一七年度秋のオープンを目指す。ICT環境の整備は、まず改修後の松阪図書館で実現した後、嬉野図書館で取り組むという。
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