《おいしすぎて食べ過ぎてしまう》
《外に電話しに行ったら料理が冷めていた》
ほとんど“いちゃもん”に近いこんなクレームも、新たな「ビジネスチャンス」につながると注目されている。商品やサービスに感じている消費者の不満を参考にしてヒット商品が生み出されたケースもあり、「苦情・クレームは宝の山」と、1件10円で買い取る会社まで登場。消費者は不満をぶつけて“収入”を得ることでき、企業も商品開発やサービス改善のヒントを得る。誰もが得する「win−win」の関係のようにも思えるが、はたしてその実態は。
「皆さんの不満を解決した傘がこれなんです!」
5月27日午後、大阪・難波の高島屋大阪店2階の特設会場。傘の製造販売を手がける福井洋傘(福井市)社長、橋本肇さん(53)が女性客に語りかける。
並んでいるのは1本3万円以上の高級傘。中には、奄美大島(鹿児島県)の特産品「大島紬」を使った97万2千円(税込み)の“超高級品”まであるが、売れ筋は3万〜4万円の「ヌレンザ」だ。
「ぬれない傘」で「ヌレンザ」。撥水(はっすい)性が特徴のこの傘、決して名ばかりではないようだ。
機能性の高さなどが評価され、トヨタの高級ブランド「レクサス」の関連グッズ「レクサスコレクション」にも採用された実力派。しかも、橋本さんが語るように、本当に苦情・クレームから生まれた商品だったのだ。
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