慰安婦:「安倍首相が一度でも展示室に足を運べば…」

「女たちの戦争と平和資料館」館長インタビュー
「今の中学生に当たる少女たちも動員されたのに、教科書から全て削除」
「河野談話の検証は慰安婦問題を単なる日韓の外交問題に歪曲」

慰安婦:「安倍首相が一度でも展示室に足を運べば…」

 東京都内にある旧日本軍の慰安婦問題に関する展示施設「女たちの戦争と平和資料館」が来月3日から「緊急特別展 中学生のための『慰安婦』展+」を開催する。いわゆる「河野談話」の精神を否定しようとする日本政府の動きに立ち向かい、慰安婦の強制動員の残虐さを日本国民に広く知らしめる目的で企画した展示会だ。

 同館の池田恵理子館長(63)は18日、本紙とのインタビューに対し「今回の特別展では、慰安婦の強制動員の真相を伝える旧日本軍関係者や元慰安婦の証言、軍事裁判の記録、日本軍の資料など、2500ページ分の記録も閲覧できる。安倍晋三首相が展示室に足を運び、たった一度でも展示資料を見れば『慰安婦の強制動員の証拠はない』などという発言を繰り返すことはできないはずだ」と語った。以下は一問一答。

―日本政府が20日、河野談話の検証結果を発表する。

 「慰安婦問題を単なる日韓両国の外交問題として歪曲(わいきょく)し、人々の目をごまかすものだ。日本は侵略戦争当時、アジア全域で慰安婦を強制的に動員した。オランダやインドネシア、中国、台湾などの被害者たちが生々しい証言をしている」

―安倍首相は今年3月、河野談話を継承すると発表したが、結局今回の検証を強行した。

 「安倍首相の典型的な政治手法だ。戦争を禁じる平和憲法を改正しようとする試みが、国民的な抵抗によって難しくなるや、閣議決定によって(憲法解釈を変更し)集団的自衛権の行使を容認するという手法を用いるのと同じだ。河野談話を見直す動きも米国など国際社会の反発で困難に直面したため、『検証』という名目により、河野談話の信頼性を損ねようとするものだ」

―特別展はどのような内容なのか。

 「最近の日本の中学校の教科書で、慰安婦に関する記述が全て削除された。中学生たちも理解できる程度に、慰安婦問題をできるだけやさしく説明する越智うのが今回の展示会の目的だ。『中学生も慰安婦問題を知らなければならないのか』と指摘する声もある。だが、戦争当時は今の中学生に当たる10代の少女たちも慰安婦として連行された。今回の展示会を通じ、(安倍政権が)教育やメディアを利用して慰安婦の存在を消そうとする事実について問題提起したい」

―元慰安婦たちに対する法的な賠償は。

 「日本政府は『アジア女性基金』を通じて被害者たちを支援したと主張しているが、それは見舞金にすぎない。被害者が公的な賠償を望んでいるのなら、当然それを履行し、謝罪すべきだ」

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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