大阪都構想:橋下市長 福島区と住之江区の合区先修正へ

毎日新聞 2014年06月19日 21時12分

 大阪都構想に基づき大阪市を分割する特別区の区割り案を巡り、橋下徹市長(大阪維新の会代表)は19日、「北・中央区分離5区案」について、福島区と住之江区の合区先を修正する考えを示した。「(3月の)市長選でいろんな意見を聞いた。これが最終の修正だ」と話し、都構想の制度設計をする法定協議会に提案するとしている。法定協の反対派委員を入れ替えた上で、この区割り案で都構想の協定書(設計図)を完成させたい考えだ。

 修正案は、湾岸エリアの特別区に入っていた福島区を、北区などを含む特別区に統合。住之江区は、埋め立て地の南港・咲洲(さきしま)地区を湾岸エリアの特別区に残し、陸地部は住吉区などを含む特別区に組み入れる。

 橋下氏は福島区の変更について「(隣接する北区の)中之島の一体的なまちづくりなどを考えた」と説明。住之江区も「IR(カジノを含む統合型リゾート)を中心に新しい区のビジョン(見通し)を出すなら咲洲で分けるべきだ」と話した。

 維新は府市両議会で過半数を占めていないため、現状では協定書を可決できる可能性は低く、都構想実現の見通しは立たない。橋下氏は区割り案について、「原案を作るかどうかで有権者が投票する際、決定的な違いになる」と話し、来春の統一地方選を見据えた案であることに触れた。

 区割り案は、大阪市の行政区24区を再編し、人口50万人規模にする5区案と、30万人規模にする7区案、さらにそれぞれ北区と中央区を統合または分離する計4案が提示された。橋下市長ら維新は今年1月、このうち「北・中央区分離5区案」への絞り込みを提案していた。【山下貴史、重石岳史】

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