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「浮上式防波堤」浮上しないおそれ6月19日 21時54分
南海トラフの巨大地震による津波に備えるため、和歌山県の港で国が建設を進めている「浮上式防波堤」で、防波堤が浮上しないおそれがあることが分かりました。
国土交通省は、今年度末までに計画を見直すことにしています。
「浮上式防波堤」は、東日本大震災を教訓に、国土交通省近畿地方整備局が和歌山県海南市の和歌山下津港で、おととしの10月から建設を進めています。
防波堤は「鋼管」と呼ばれる金属製のパイプを直線に並べたもので、ふだんは深さ13メートルの海底に埋め込まれていて、津波が押し寄せると空気の力で海上7.5メートルまで浮上するという仕組みです。
去年3月、浮上実験が行われ、作動することが確認され、現在も整備が続けられています。
一方、おととし8月、国の想定が設計段階と変わり、津波の高さが6.7メートルから8メートルに、地震の揺れが震度6弱から震度7になったため、近畿地方整備局が専門家の委員会で検討したところ、地震の揺れで「鋼管」が損傷して防波堤が浮上しないおそれや、浮上した場合でも津波に耐えられないおそれがあることが分かったということです。
このため近畿地方整備局は、地盤を固める工事や鋼管自体を強化することなど計画を今年度末までに見直すことにしています。
これに伴い、目標の平成31年度末までの完成は難しくなり、およそ250億円の総事業費もさらに膨らむおそれがあるということです。
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