ずばり勝負

策に溺れる策士、「下の下」外交で孤立深める中国香港人は中国人にあらず、選挙の民主化求め「セントラルを占拠せよ」~宮崎正弘氏

2014.06.20(金)  JBpress

ット安川 モンゴル取材から戻ったばかりの宮崎正弘さんをゲストに迎え、日米中の駆け引きの現状や今後予想される展開をお話しいただきました。孫子の兵法から香港での座り込み計画など最新の動きまで、幅広い解説は必見です。

中国の時代は終わったというのは世界の共通認識

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:宮崎正弘/前田せいめい撮影宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)氏
評論家、作家。国際政治・経済の舞台裏を解析する論評やルポルタージュを執筆。中国ウォッチャーとしての著作の他、三島由紀夫を論じた著書もある。近著に『オレ様国家 中国の常識』『2012年、中国の真実』『中国が世界経済を破綻させる』など。メールマガジン『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』を発行。(撮影:前田せいめい、以下同)

宮崎 中国の時代は終わった、というのは世界中で言っていることです。投資家のジョージ・ソロスは2年以内に中国は終わると言っているし、ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、これから中国の停滞は30年続くかもしれないと言っている。

 欧米系の経済学者やエコノミストの話、分析、予測を見ていると、中国はこれからますます発展するであろうなどと言う人はほとんどいない。

 中国のバブル崩壊と日本のバブル崩壊には違う点があります。

 日本のバブルが弾けたのは経済政策の間違いのせいです。総量規制をいきなりかけたからです。日本人は法治主義なので、決まった法律を守る。銀行も多少のブラックなところはあるけれど、いったん上から出た、当時の大蔵省が出した命令は聞くんです。だから貸し剥がしということを行いました。

 一方、中国は独裁政権です。企業情報はまったくの不透明。経済政策は独裁政権が勝手に決めている。そういう違いがある。

 そして、貸し剥がしは民間企業に対してはやります。また、自分の政敵が経営している企業はつぶす。しかし、自分たち太子党が経営している企業は絶対につぶさない。そういう破天荒なゴマカシを中国はこれからも行っていくだろうと思います。

孫子の兵法を守ってきた中国だが、ここにきて裏目に出始めた

 中国は2500年前の孫子の兵法をけっこう守っています。孫子の兵法には、「敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず」と書いてあります。つまり、情報の正しい把握が大事であるということです。

 もう一つ、戦争は上策、中策、下策があると。上策は、謀(はかりごと)をもって相手をやっつける。中策は、外交・交渉をもって相手をやっつける。下策は兵力を用いること。そして、相手を本当に軍隊で攻めることは、下の下だと言っていす。

 中国はこれまで上策をやってきたわけです。謀をもって…
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