中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大リーグ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大リーグ】

田中将、両リーグ通じてトップの11勝 プロ初の初球被弾も6イニング1失点

2014年6月19日 紙面から

◇ヤンキース3−1ブルージェイズ

 ついにメジャーのトップに立った。ヤンキースの田中将大投手(25)は17日(日本時間18日)、地元でのブルージェイズ戦に先発。6イニングを5安打1失点、10奪三振に抑え、両リーグ通じて単独トップの11勝目(1敗)を挙げた。1回にプロ初の初球本塁打を浴びたが、失点はこの1点のみ。ア・リーグ1位だった防御率を1・99と1点台に下げ、開幕から続くクオリティースタート(QS=6イニング以上自責3以下)も14試合に伸ばした。奪三振数でもリーグ2位と圧倒的な数字が並ぶ右腕。米メディアからは「惑星一の投手」との声まで飛び出した。

 ブ軍打線の見せ場は、最初の1球で終わった。1回、初球の91マイル(146キロ)外角直球を先頭レイエスが強振。打球はぎりぎり右翼スタンドへ消えたが、失点はこの1点だけだった。残りの103球で両リーグ最多本塁打を誇る強力打線をねじ伏せ、田中将が5連勝で11勝目。ルーキーが勝ち星で、メジャーのトップに躍り出た。

 「(初球本塁打に)いつものリズムで投げるのは難しかったけど、切り替えていこうと自分に言い聞かせた。2回以降は普通に投げられた」

 共同電などによると、右腕はプロ初の初球被弾に動揺したと明かしたが、その言葉に捕手のマキャンは「彼は誰よりも落ち着いていたよ」と大笑い。パートナーの言う通り、2球目からは低めに制球されたスプリットとスライダーで三塁を踏ませず。4回2死からは4者連続三振。5回は15球すべて変化球で中軸の3人を手玉に取った。

 メジャー初勝利を挙げた開幕戦以来となるブ軍戦。前回も1回先頭のカブレラに3球目を右中間席に運ばれた。同じ展開に、「(初登板を)思い出した」と苦笑したが、その後は前回以上に安定。米放送局ESPN(電子版)も「デジャブ(既視感)」をもじって「デジャブルージェイズ。またタナカがトロントをKO」と伝えた。

 これで防御率はア・リーグで唯一の1点台となり、WHIP(1イニングあたりの与四球+被安打数)0・95、勝率9割1分7厘はリーグ1位。113奪三振は同2位で、99・2イニングの投球回は同3位タイだ。投げた14試合でチームは12勝2敗と、まさにエースと呼ぶにふさわしい活躍。地区首位のライバルを倒し、この日がヤンキースで通算600勝目となったジラルディ監督も「うちの成功の理由の大部分は彼が占めている」とたたえた。

 開幕前は実力を疑問視する米メディアもあったが、もはやそんな声は皆無。米紙デイリーニューズ(同)は「試合前、サバシアが『タナカは惑星一の投手だ』と話していた。まさに、否定する要素は何もない」と認めた。14度の先発を経験し、「(調整法も)確立されてきている」と今後に自信を見せる田中将。日本一からメジャー一、さらには地球一へ。右腕の快進撃は、止まりそうもない。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ